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民法改正~相殺禁止~

弁護士の佐藤です。

 

昨日とはうってかわって、よい天気で気持ちがよいです。

 

 

さて、本日も民法改正に関するお話をしたいと思います。

 

本日は相殺禁止に関する見直しについてです。

 

 

そもそも、相殺とは、AさんとBさんが、お互いに100万円の債権を持っている場合に、100万円をお互い支払うのでなく、一方の意思表示により、お互いの債権を消滅させることをいいます。

 

因みに、Aさんが相殺の意思表示をする場合、AさんのBさんに対する債権を自働債権、BさんのAさんに対する債権を受働債権といいます。

 

 

そして、旧民法は、民法509条で、

 

債務が不法行為によって生じたときは、その債務者は、相殺をもって債権者に対抗することができない。

 

として、不法行為債権を受働債権として相殺することを一律に禁止しています。

 

 

これは、この場合に相殺を許してしまうと、不法行為を誘発する可能性があるためそれを防止する目的と、現実の弁済を実現することで、被害者を保護すること目的としています。

 

 

しかし、例えば、AさんとBさんが双方の過失、例えば、双方の過失で交通事故をおこし、物的損害を双方に生じさせたという、相互に不法行為債権を有している場合、Bさんが無資力で現実に支払いをする能力がない場合でもAさんは相殺をできず、自分の債務のみ全額弁済しなければいけないという、かえって、正義公平に反する事態を生じかねないことも予想されます。

 

 

そこで、今回の民法改正では、相殺禁止の対象となる不法行為債権を、①加害者の悪意による不法行為に基づく損害賠償、②生命身体を侵害する不法行為に基づく損害賠償に限定し、それ以外は相殺を可能とすることになりました。

 

 

というわけで、本日は、相殺禁止に関する見直しについてお話させていただきました。

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