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民法改正~消滅時効~

弁護士の佐藤です。

 

そういえば、というわけではないのですが、今年の4月に民法の大改正され、新しい法律が施行されているのですが、施行当時は、コロナウイルスによる緊急事態宣言のニュースばかりで、たいして、新聞でも話題にならなかった記憶が・・・。

 

で、私自身も勉強会に参加したり、このブログでも書かせてもらったりしていたのですが、事務所のホームページリニューアルにともない、過去のブログが飛んでしまっていまして、改めて、私自身の復習の意味も込めて、改正点をご紹介していこうかと思います。

 

本日は、消滅時効についてです。

 

現行法では、消滅時効の起算点、つまり、いつから消滅時効が進行するかという点で、原則、権利を行使することができる時から10年とされ、例外的に、職業別に、例えば、飲食料、宿泊料は1年、弁護士報酬は2年消滅時効になるなど、職業別に細かく時効期間が設定されていました。

 

 

また、商行為によって生じた債権は、会社法によって5年と決められていました。

 

しかし、職業別の短期消滅時効は、どの債権にどの消滅時効が適用されるのか、複雑でわかりにくいなどの批判があり、また、時効期間の大幅な長期化を避ける必要性もいわれてきました。

 

 

そこで、今回の民法改正により、職業別の短期消滅時効及び商事時効を廃止し、権利を行使することができる時から(客観的起算点)10年という時効期間は維持しつつ、一律に、権利を行使することができることを知ったときから(主観的起算点)5年という時効期間を追加したのです。

 

ここで、権利を行使することができる時とは、例えば、過払金の返還請求でいうと、最終の取引時であり、権利を行使することができることを知った時とは、過払いが発生していることを知ったとき、つまり、弁護士などに依頼して、取引履歴を取り寄せ、法律の範囲内で計算した結果、過払金は発生していたということを知ったとき、ということになります。

 

不法行為による損害賠償請求権の消滅時効が、民法724条で、

 

 

不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。

二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

 

とあるように、今回の改正では、時効期間を短縮するかわりに、不法行為に損害賠償請求権の消滅時効のように主観的起算点をもうけることでバランスをとったものといえます。

 

 

もっとも、上記のように不法行為による損害賠償請求権の消滅時効の客観的起算点からの時効期間が20年であることのバランスから、不法行為によらない損害賠償請求権でも、生命・身体の侵害による損害賠償請求権、例えば、安全配慮義務違反(債務不履行)に基づく損害賠償請求権については、客観的起算点からの時効の期間を、不法行為と同様、20年に延長する特則が設けられております(新167条)。

 

 

以上のように、消滅時効については非常にわかりやすくなったといえます。

 

 

というわけで、今後も継続的に民法改正について、説明していければと思います。

 

 

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