失踪宣告

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弁護士の佐藤です。

 

今週もはじまりました。

 

今週も猛暑に加え、週末あたりに台風がくるようです。

 

まだまだ大変です。

 

 

ところで、先日、不在者財産管理人についてお話しましたが、今回は、不在者がらみの問題で、失踪宣告という制度を簡単に説明します。

 

まず、失踪宣告とは、不在者、生死不明の者(死体が確認できていない者など)を死亡したものとみなし、その者にかかわる法律関係をいったん確定させるための制度をいいます。

 

民法上では、まず、30条に、

 

1 .不在者の生死が七年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができる。

2 .戦地に臨んだ者、沈没した船舶の中に在った者その他死亡の原因となるべき危難に遭遇した者の生死が、それぞれ、戦争が止んだ後、船舶が沈没した後又はその他の危難が去った後一年間明らかでないときも、前項と同様とする。

 

と規定され、さらに31条には、

 

前条第一項の規定により失踪の宣告を受けた者は同項の期間が満了し時に、同条第二項の規定により失踪の宣告を受けた者はその危難が去った時に、死亡したものとみなす。

 

と規定されています。

 

つまり、不在者がいる場合、利害関係人は、失踪宣告の請求ができ、行方不明となってから7年間が経過した時点で、その者は死亡したものとみなされるのです。

 

 

なぜこのような手続があるかといいますと、不在者財産管理人のとき同様、行方不明者名義の財産がある場合で、行方不明者の死亡が確認できないと、その財産の処分はいつまでたってものできません。

 

しかし、生死の確認ができなくても、法律上、死亡したものと扱うことによって、その方の財産につき、遺産分割協議をすることができ、財産の処分等が可能となるのです。

 

では、失踪宣告がなされた後、実はその人が生きていたことがわかった場合、法律関係はどうなるのでしょうか。

 

 

この点についても、民法に規定があり、民法32条は、

 

  1. 失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なる時に死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。この場合において、その取消しは、失踪の宣告後その取消し前に善意でした行為の効力に影響を及ぼさない。
  2. 失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消しによって権利を失う。ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。

 

と規定され、請求により、取り消されると失踪宣告自体がなくなったことになります。

 

しかし、失踪宣告後、法律関係に動きがあった場合、失踪宣告が取り消され、法律関係の動きすらなかったことにされると、混乱が生じるため、善意でした行為には影響を及ぼさず、また、利益を得た者は、現存利益といって、残っているもののみ返還すれば足りるとされているのです。

 

 

以上、簡単ですが、失踪宣告に関する制度のご説明でした。

 

 

 

今週も暑さと台風に負けずがんばります。

 

 

 

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