離婚問題9~財産分与について~

Chrysanthemum

弁護士の佐藤です。

さて、本日は、離婚問題の最終回ということで、財産分与についてお話します。

財産分与とは,婚姻生活中に夫婦で協力して築き上げた財産を,離婚の際にそれぞれの貢献度に応じて分配することをいいます。法律上の規定は、民法768条1項に定められています。

婚姻生活中に夫婦が協力して築き上げた財産には、基本的に名義は関係ありません。通常、不動産や自動車といったものの名義は夫になっているケースが多いですが、そういった財産も、その実質が妻の協力貢献によって形成維持されたものについては、離婚の際に、貢献の割合に応じて清算されるのが普通です。

財産分与とは、夫婦が協力して築き上げた財産をいうため、結婚前からある財産や、相続によって得た財産は基本的には財産分与の対象にはなりません。さらに、夫婦が別居した後、離婚する前に、一方の配偶者が得た財産についても財産分与の対象にはなりません。夫婦が協力して築き上げた財産とは言えないからです。

さらに、財産分与の対象となるのは、プラスの財産ばかりではありません。夫婦が共同生活する上で生じた債務(住宅ローンなど)も財産分与の対象にはなりため、債務を双方が負担しなければいけません。もっとも、例えば、夫はギャンブルのために借金をした場合などは、夫婦の共同生活をする上で生じた債務ではないため、財産分与の対象となります。

財産分与の種類ですが、大きく分けて3つあります。

清算的財産分与、扶養的財産分与、慰謝料的財産分与です。

清算的財産分与とは、財産分与の中心となるもので、夫婦が婚姻中に形成した財産の清算をいいます。財産分与はあくまでの婚姻中に形成した財産をその貢献に応じて清算するものであるため、有責配偶者、つまり離婚の原因をつくった人からでも請求は認められます。

次に、扶養的財産分与とは、離婚によって一方の生活が困窮するという場合、自立できるまで援助をするというものです。したがって、一定額を定期的に支払うという方法が一般的です。

さらに、慰謝料的財産分与ですが、前回慰謝料についてお話しましたが、本来、慰謝料と財産分与は性質も条文もことなるものです。しかし、両方とも金銭まつわる問題であるため、慰謝料的要素も含めて財産を清算するというものが慰謝料的財産分与です。

財産分与の決め方については、これまでお話してきた流れと同じです。つまり、夫婦間の話し合いからはじまり、まとまらなければ、調停→審判ないし裁判と進んでいきます。

次に、その割合ですが、基本的には夫婦で半々と考えるが一般的といえます。妻が専業主婦で、夫が一生懸命働いて貯めた預貯金の場合、直接的には妻はかかわっていないかもしれませんが、妻は家事などで貢献したといえるため、半分はよこせと言えるわけです。

もっとも、この割合も事情によっては修正されます。例えば、夫が特殊な技術をもち、そのために財産が形成されたという場合、夫のその特殊技術も考慮すべきと考えられ、割合は変更される可能性があるのです。

財産分与で一番やっかいな問題は、その方法と言えるでしょう。

単純な預貯金であれば、その割合に応じて分配すればよいのですが、不動産や自動車といったものは、簡単には解決しません。方法が決まっているわけではありませんが、上記のケースでいうなら、売却してその金銭を分配する方法、一方が離婚後も使用するかわりに、他方には金銭を渡す方法など色んな選択肢が考えられます。

最後に、財産分与は離婚時に行うことが一般的ですが、離婚後でも請求は可能です。

ただし、離婚してから2年が経過してしまうと時効により請求できなくなるため、注意が必要です。

上記のとおり、財産分与は、その対象となる財産が何か、どうやって分与するかなど、複雑かつ技術的な問題を多く孕んでいるため、是非、お悩みの方は早期にご相談ください。

ページの先頭へ