離婚問題5~親権について~

Hydrangeas

弁護士の佐藤です。

季節の変わり目ですので、体調管理に気をつけてください。

さて、本日も離婚に関する問題についてお話します。

本日は親権についてです。

親権とは、法律的には、「身上監護権」と「財産管理権」という二つの権利に分けられます。

身上監護権とは子供の身の回りの世話や教育など生活全般の面倒をみる権利であり、財産管理権とは、文字通り、子供の財産を管理する権利であり、未成年者に認められない法律行為を子供に代わって行うこともします。

親権は離婚と同時にどちらにするか決めないといけません。慰謝料請求や財産分与の請求は時効の問題はありますが、離婚届を出したあとでも請求することは可能です。

しかし、親権に関しては、そもそも離婚届に記載欄あり、未成年者がいる場合、父母のどちらかを親権者に決めないといけません。

早急に離婚をしたいから、どちらかをとりあえず親権者にしておくということも可能ですが、後の親権者の変更は、家庭裁判所の許可が必要であり、親権者の変更は現状を変えるため、簡単には許可してくれません。

しがたって、親の都合だけで簡単に親権者を決めることはやめるべきです。

親権者を誰にするかは、これまで同様、まずは夫婦での話合いですが、話し合いがまとまらなければ、これも同様に、調停、審判、裁判という手続の中で決めていくことになります。

親権者を決める上で一番重要な要素は、子供の福祉です。

どちらの親の環境下で育つのが子供にとってよいかということが一番大きな基準になります。

したがって、例えば、妻が不貞をしたことが離婚原因となっていたとしても、そのことが直接子供の福祉に関わることにはならないため(もちろん、検討要素にはなりますが)、親権者にはなれないということにはなりません。

これまでの経験からすると、やはり、離婚する前までの環境、さらには、子供との時間的共有のどちらが長かったかということで判断されやすいと思います。別居をしていれば、別居後に子供がどちらの親と一緒にいたかも重要な要素になるでしょう。

したがって、やはり、時間的共有という意味では、母親の方が一般的には長いため、また別居後は母親と一緒ということの方が多いため、親権も母親の方が圧倒的に有利というのが実務の流れと言っていいでしょう。

もちろん、有利というだけで、母親に問題がある場合には父親に親権がいくこともあります。しかし、その問題というものを父親の方で立証しなければいけません。これは大変な作業になります。常々申し上げておりますが、一般的にはいいことだと思いませんが、証拠を保全しておくという意識は常にもつべきです。

 

もっとも、これまでも実際事件を担当させていただいて思うのですが、どうしても夫婦間の別の問題で感情的になりすぎて、子供の福祉を尊重するという視点が夫婦双方に抜けているケースが多々あります。子供がこれから成長するにつれ、どういう環境で育つのが一番よいか、また、仮に一緒に住めなくても、父や母であることには変わりないため、一緒に住めない一方の親はどういう形で今後子供と向き合っていくのかを夫婦が冷静に、子供のために考えてもらえたらと切に思います。

ページの先頭へ