離婚問題3~婚姻を継続し難い重大な事由について~

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弁護士の佐藤です。本日も離婚問題についてお話します。

前回もお話しましたが、本日のテーマは民法があげる離婚原因のうち、婚姻を継続し難い重大な事由(民法770条1項5号)についてです。

婚姻を継続し難い重大な事由には様々な事由が考えられます。法律相談でよくあるのは、配偶者の暴力、暴言、性格の不一致、配偶者の一方が育児、家事に協力しないなどです。ただし、これらの事由があるだけで離婚できるわけではありません。重要な要素は、これらの事由をもとにして、夫婦関係が破綻して回復の見込みがないといえるかどうかです。しがたって、上記事由の有無の他にも、様々な要素をみて、最終的に裁判官が総合的に判断して決めます。

それでは、具体的に検討してみましょう。

 

○性格の不一致

法律相談では、性格の不一致を理由に離婚をしたいとおっしゃる方が沢山います。

しかし、性格の不一致というというだけで離婚ができるわけではありません。夫婦とは、生まれも育った環境も異なる男女が、自分とは違う相手の性格に惹かれて結婚したのであり、多少性格の不一致があるのは当然であるからです。

もっとも、最高裁は、双方の性格の不一致と愛情の喪失によって、深刻かつ治癒し難い程度に破綻し、婚姻の実をあげうる共同生活の回復はもはや望むことができない状態であるときは、婚姻を継続し難い重大な事由にあたるとしています。

つまり、性格の不一致から喧嘩が絶えなくなったとか、夫婦間にまったく会話がなくなったなど、性格の不一致を発端として、さらに、深刻かつ治癒し難い何らかの理由が必要になります。

 

○暴力、暴言

一方の配偶者からの暴力も法律相談ではよくお話を聞きます。

暴力、暴言といっても、原因も様々で、暴力、暴言も主観によって左右される面もあるため、必ず離婚ができるというわけではありません。暴力の原因、暴言の態様、怪我の程度、頻度によるものと考えられます。

法律相談でお話を聞くと、暴力を受けたが、大事になるのを恐れて病院に行かなかったという方もいらっしゃいます。しかし、これまでも何度もお話してきましたが、裁判となると証拠によって結論が左右されるため、必ず病院にいき、診断書をもらったり、怪我の程度の写真をとるなどをするべきです。

 

○配偶者の両親、親族との不仲

こちらも、法律相談ではよく理由にあげられます。

配偶者の両親、親族との不仲は、直接夫婦間の問題ではないため、このことを直接の原因としての離婚はみとめられないといいでしょう。

しかし、例えば、夫の両親と同居する妻が、夫の両親から妻の人格を否定する行為を行い続け、夫はそれを認識していたにもかかわらず傍観し続けるだけで、夫がなすべき通常の責務を果たしていないという場合には、離婚が認められることもあり、下級審判例には同様のものがあります。

 

○夫が働かない

当然、働かない理由が問題となりますが、夫が働ける状態であるのに、勤労意欲を欠いて家計を困窮状態に陥れたこという場合には離婚が認められます。

また、働く意思があっても、確たる見通しもなく頻繁に転職し、借金をつくり、妻にも借金返済の援助を求めたり、生活費を渡さないなどの事情がある場合にも、離婚を認めた判例があります。

 

○借金がある

借金がるという理由だけでは、当然離婚は認められません。

もっとも、借金をした理由がギャンブルのためであり、借金により生活に支障がでている場合などには離婚原因となるでしょう。

以上の事案をほんの一例ですが、結局は、各事由を発端としてどこまで夫婦関係が壊れているかということが重要になります。そして、何度も言っておりますが、裁判というのは証拠の世界です。裏付けとなる証拠、それもなるべく客観的な証拠がないと裁判には勝てません。離婚でお悩みの方は、是非当事務所までご相談ください。

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