離婚問題2~離婚原因について~

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弁護士の佐藤です。

まだまだ暑い日が続きますが、早朝や夕方は少しずつ秋を感じるようになりました。

さて、本日も離婚問題についてですが、本日は離婚原因についてもう少し詳しくお話します。

離婚原因は前回お話した通り、裁判離婚において必要になります。つまり、闇雲に離婚の裁判をこしても、裁判所は認めてくれません。

前回もお話しましたが、離婚原因は民法で規定されており、①配偶者に不貞な行為があったとき、②配偶者から悪意で遺棄されたとき、③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき、④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき、⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるときの5つであり、これらを立証しないと強制的に判決という形で離婚を認めてくれないのです。

 それでは、一つ一つ要件を見ていきましょう。

 

配偶者に不貞な行為があったとき

不貞行為とは、つまり浮気のことです。もっとも浮気といっても色々な考えがあると思いますが、法律が問題としている不貞とは、配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて配偶者以外の異性と性的関係をもつことです。

もっとも、戸籍上は夫婦であっても、すでに別居していて夫婦関係が破綻しているという場合には、不貞にはあたりません。夫婦の婚姻生活の平和を維持するという権利が存在しないからです。

不貞の場合、立証が特に問題になります。

探偵さんに頼むのが一番確実ですが、費用はかなりかかります。気が引けることもあるでしょうか、裁判を有利に進めるためには、浮気を裏付けるもの(メール等)の写真をとるなど、証拠の保全が重要になるでしょう。

 

配偶者から悪意で遺棄されたとき

悪意での遺棄という言葉は聞きなれないと思いますが、遺棄とは、配偶者を山の奥底に連れて行って置いて帰ってしまうというようなことではありません。

夫婦は互いに同居し、協力する等の義務を負っています。これに違反する行為が遺棄になります。

例えば、夫が理由もなく勝手に家を出ていってしまい、妻に生活費すら渡さない場合なども遺棄にあたります。

もっとも、仕事の都合で単身赴任をしているということは遺棄にはあたりませんし、夫婦関係を修復するため冷却期間として別居している場合などは、遺棄にはあたりません。

 

配偶者の生死が3年以上明らかでないとき

生死不明とは、生きているのか死んでいるのか確認できない状態をいい、行方不明とは異なります。また、所在がわからない場合でも、生きていることが推定される場合には生死不明とはいえません。

前回、離婚の手続としては、まずは調停を申し立てなくてはならない(調停前置主義)と言いましたが、この場合は、当然、調停を申し立てても意味がないので、最初から裁判離婚をおこすことができます。

なお、この場合の立証は、警察への捜索願などが必要になるでしょう。

 

配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき

精神病とは痴呆や躁鬱病のことであり、植物状態やアルコールや薬物の中毒は精神病には含まれません。もっとも、次に述べる「その他婚姻を継続し難い重大な事由」として認められる可能性はあります。

しかし、重度の精神病にかかったといえ、一方的に見放すことは酷であるとも言え、裁判所も簡単には離婚を認めません。最高裁は、諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活などについて、できる限りの具体的方途を講じ、ある程度において前途にその方途の見込みのついたうえでなければ、離婚の請求は許されないとしています。

なお、この場合の立証は、お医者さんの意見書や診断書が必要になるでしょう。

 

その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

婚姻を継続し難い重大な事由とは抽象的なことばですが、離婚原因は、上記4つの原因ばかりでなく、様々な理由が考えられます。そこで、民法は第5号で、あらゆる原因を網羅して、総合的な判断で、婚姻を継続させるべきか、やめさせるべきかを決めているのです。

実務では、不貞と同じくらいこの5項を原因として離婚を求めることが多く、様々なケースが想定されます。

そこで、次回は、婚姻を継続し難い重大な事由について、もう少し詳しくお話したいと思います。

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