離婚問題1~手続について~

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弁護士の佐藤です。これまで、相続、交通事故についてお話してきましたが、本日からは法律相談でもっとも相談が多い、離婚問題についてお話していこうと思います。

本日は初回ということで、離婚をする手続きについてお話します。離婚の手続は、大きく分けて3つあります。協議離婚、調停離婚、そして裁判離婚です。

 協議離婚

協議離婚とは、文字通り夫婦間で話し合いをして離婚をすることです。

当然ですが、一方が離婚に合意しないとできません。

協議離婚の場合、離婚届を役所に提出するだけという簡単な方法である為、逆に、後々トラブルを招きやすくなります。つまり、離婚自体は問題がなくても、財産分与や養育費などを離婚時に決めておかない場合や、口約束だけの場合、離婚後、煩雑な手続きをとって養育費等の請求しなければいけなくなります。

したがって、早急に離婚届を提出するのではなく、離婚後に双方が困らないようしっかり離婚後のことも決めておかなければいけません。具体的には、養育費、財産分与、慰謝料、子との面接交渉などです。

そして、それは必ず、書面に残しておきましょう。裁判では、口約束は通用しません。かつ、書面は、できれば公正証書で作成することをおすすめします。それはなぜかというと、例えば、離婚をする際に、夫が妻に養育費子供一人3万円払うという合意が出来ていた場合で、 3年後に、養育費の支払いがストップしたとなると、妻は、調停等を起こして、支払いを請求することになります。そして、調停等で決まったにもかかわらず、夫が養育費の支払いをしない場合には、例えば夫の給与を差し押さえるという流れになるのですが、公正証書を作成しておけば、夫が突然養育費の支払いをストップした場合、調停等の裁判手続を経ずに、いきなり差し押さえの手続が可能になるからです。

離婚で生じるであろうさまざまな問題を検討し、話合いの段階で問題をひとつひとつ解決するように心がけるべきです。

離婚を急ぐあまりに、急いで手続きを進めてしまうことは避けたほうが賢明です。十分な準備をして納得したうえで離婚届を提出することが重要です。

調停離婚

協議離婚、つまり、夫婦の一方が離婚に応じない場合、または、離婚自体は合意しているが、親権者が決まらない、養育費の額が決まらないといった場合には、次のステップとして家庭裁判所に調停を申し立てざるを得ません。

調停と裁判に違いは、強制力がないということです。調停といっても、あくまでも話し合いの場ですので、最終的に、一方がどうしても離婚に応じない場合には、調停は不成立になります。そして、日本の法律では、いきなり裁判をおこすことはできず、調停から始めなければなりません。これを調停前置主義といいます。

調停は話し合いの場といいましたが、協議離婚とは異なり、公平な第三者である調停員を交えて、なおかつ夫婦双方が直接顔を合わすことなく話し合いを進めていきますので、協議段階ではまとまらなかったことでも、調停で解決することは多々あります。

少し話がそれますが、この調停は離婚をどうしてもしたいという理由だけでなく、例えば別居中の夫婦がいて、離婚を前提とするのではなく、今後のことをどうしていくか話し合いたいという理由でも申立することができます。これを夫婦関係調整調停と言います。

 裁判離婚

前述のとおり、調停は話し合いの場合ですので、どちらかがどうしても離婚に応じない場合には、調停は不成立となり、最後のステップとして、裁判を起こさなければなりません。

調停の場合には、離婚の理由は特に必要ないのですが、裁判離婚の場合、最終的には、判決というかたちで強制的に離婚をさせるため、離婚を求める方は離婚原因が必要になります。

離婚原因は民法770条1項に規定があり、①配偶者に不貞な行為があったとき、②配偶者から悪意で遺棄されたとき、③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき、④、配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき、⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるときの5つです。

なお、上記いずれかに配偶者の行為が1回でも該当すれば必ず離婚ができるというわけではありません。民法770条2項は、「裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。」と規定しており、夫婦間の事情を総合的にみて判断します。

なお、調停離婚は、調停員が手続等を丁寧に教えてくれるため、弁護士とつけずに申し立てる方は沢山いらっしゃいますが(もちろん弁護士をつけるにこしたことはありませんが)、裁判離婚の場合には、立証等の問題や技術的な問題もあるため、できれば弁護士をたてて進めていく方がよいでしょう。

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