詐欺罪~クレジットカードの不正使用~

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弁護士の佐藤です。

 

ふんばりどころの木曜日です。

 

本日は、事務員さん募集を見て応募していただいた方の面接をやらせていただきました。

 

来て頂いた方々、本当にありがとうございました。しっかり選考させていただき、ご連絡差し上げたいと思います。

 

とはいえ、面接というものは、やられる方も緊張すると思いますが、やる方も慣れておらず、普段の仕事とはちょっと違った緊張感があるものです。

 

 

さて、本日も刑法に関する判例のうち、詐欺罪に関する判例をご紹介しますが、本日ご紹介する判例は、クレジットカードの不正使用に関する問題です。

 

どういう事案かといいますと、信販会社の会員としてクレジットカードの反抗を受けた化被告人が、信販会社の加盟店において、代金支払の意思、能力がないのにクレジットカードを使用して物品の購入・飲食を行ったというものです。

 

ここで、クレジットカード使用の流れですが、会員は、加盟店において、カードを提示し、所定の売上票に署名するだけで物品の購入等をすることができ、加盟店は取扱を拒絶してはならなず、代金は信販会社が会員に代わり加盟店に立て替え払いをし、会員は代金を一定の手数料を加えて返済しなければならないとされています。

 

そして、第1審判決は、会員は加盟店に対して代金支払義務がなく、加盟店は会員によるクレジットカード代金の支払の有無を考慮する必要がないとしゅて、詐欺罪の成立を否定しました、

 

これに対し、福岡高等裁判所昭和56年9月21日判決は、

 

「先ずクレジットカードを利用する場合でも、それが売買であれ、飲食あるいは宿泊であれ、すべてその代金は利用客が負担することになることは言うまでもなく、右代金は中間で信販会社により加盟店へ立替払されるが、最後に利用客から信販会社へ返済されることが前提となつて、この制度が組立てられていることは明白である。したがつて、会員がカードを呈示し売上票にサインすることは、とりも直さず右利用代金を信販会社に立替払してもらい、後日これを同会社に返済するとの旨の意思を表明したものにほかならず、カードの呈示を受けた加盟店においても、その趣旨で利用客から代金が信販会社に返済されることを当然視して利用客の求めに応じたものと解するのが相当である。若し利用客に代金を支払う意思や能力のないことを加盟店が知れば、クレジットカードによる取引を拒絶しなければならないこと信義則上当然のことであり、このような場合にまで右拒絶が信販会社によつて禁止されていることは到底考えられない。一見確かに、加盟店はカード利用による代金を信販会社から確実に支払つてもらえるから、利用客の信販会社に対する代金支払の有無などにかかずらう必要がないかのように考えられがちであり、この点原判決の無罪理由にも一理ないとは言えないが、前叙のようなクレジットカード制度の根本にさかのぼつて考えると、一面的な見方と言うほかはない。結局被告人が、本件において、信販会社に対してその立替払金等を支払う意思も能力も全くなかつたのに、クレジットカードを使用した以上、加盟店に対する関係で、右カードの使用(呈示)自体がこれをあるように仮装した欺罔行為と認めるのが相当であり、その情を知らない加盟店からの財物の交付を受け、若しくは財産上の利益を得た本件各行為は、詐欺罪に当たると言わなければならない。論旨は結局理由があり、原判決は他の論旨について判断するまでもなく、この点で破棄を免れない。」

 

として、加盟店に対する詐欺罪の成立を認めました。

 

詐欺罪は、本当に論点の宝庫でありまして、このクレジットカードの不正使用の論点も、司法試験受験時代、嫌ってほど勉強させられました。

 

 

この論点では、無罪説、信販会社に対する2項詐欺罪説等様々な学説があるところですが、上記判例のように加盟店に対する1項詐欺罪説が多数説といえるようです。

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