自己決定権

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弁護士の佐藤です。

 

今週もはじまってしまいました~。

 

ポケモンGOのパワーがすさまじく、町中、携帯を見ている人を見ると、全員ポケモンGOをやっているのではないかとさえ思えてきます。

 

そんなに楽しいんですかね・・・。

 

で、本日も長期間やっていた家事調停が無事成立しました。本日の成立は難しいかと思っていたのですが。

 

毎度言っていますが、事件が終わると一瞬ホッとします。

 

で、本日も憲法のお話しを。

 

前回、プライバシー侵害についてお話ししました。で、プライバシーの定義にもよりますけど、憲法の学説では、自己決定権というものがあり、例えば、ライフスタイルを決める自由、尊厳死などの生命の処分を決める自由などが言われており、この自己決定権も広義のプライバシー権を構成するといわれています。

 

ただし、この自己決定権が争われた事案というのはそんなに多くはないのですが、本日は、その数少ない自己決定権が争われた判例を。

 

 

事案は、普通自動車運転免許取得を制限し、パーマをかけることを禁止し、学校に無断で運転免許を取得したものに対しては退学勧告をする旨の校則を定めていた私立高等学校において、校則を承知して入学した生徒が、学校に無断で普通自動車の運転免許を取得し、そのことが学校に発覚した際にも顕著な反省を示さず、三年生であることを特に考慮して学校が厳重に注意に付するにとどめたにもかかわらず、その後間もなく校則に違反してパーマをかけ、そのことが発覚した際にも反省がないとみられても仕方のない態度をとったため、学校が自主退学の勧告をしたことが違法かどうかという案件です。

 

最高裁平成8年7月18日の判決で、これまでご紹介してきた判例の中では、比較的新し判例です。

 

で、最高裁は、上記のとおり、本件は私人間の事案であり、以前述べたとおり、「普通自動車運転免許の取得を制限し、パーマをかけることを禁止する旨の校則が憲法一三条、二一条、二二条、二六条に違反すると主張するが、憲法上のいわゆる自由権的基本権の保障規定は、国又は公共団体と個人との関係を規律するものであって、私人相互間の関係について当然に適用ないし類推適用されるものではない」

 

とした上で、

 

「私立学校は、建学の精神に基づく独自の伝統ないし校風と教育方針によって教育方針によって教育活動を行うことを目的とし、生徒もそのような教育を受けることを希望して入学するものである。原審の適法に確定した事実によれば、(一) ・・高校は、清潔かつ質素で流行を追うことなく華美に流されない態度を保持することを教育方針とし、それを具体化するものの一つとして校則を定めている、(二) ・・高校が、本件校則により、運転免許の取得につき、一定の時期以降で、かつ、学校に届け出た場合にのみ教習の受講及び免許の取得を認めることとしているのは、交通事故から生徒の生命身体を守り、非行化を防止し、もって勉学に専念する時間を確保するためである、(三) 同様に、パーマをかけることを禁止しているのも、高校生にふさわしい髪型を維持し、非行を防止するためである、というのであるから、本件校則は社会通念上不合理なものとはいえず、生徒に対してその遵守を求める本件校則は、民法一条、九〇条に違反するものではない。」

 

と結論付けました。

 

私人間の問題だし、免許や髪形といったライフスタイルの中では核となるものの制限でもないため、結論は妥当でしょう。

 

権利意識の多様化という意味では、自己決定権が争われる事案は今後は多くなるかもしれません。判例の蓄積をまつほかないですね。

 

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