脅迫罪

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弁護士の佐藤です。

今週もはじまりましたが、本日は10月も終了でございます・・・。

 

今年もあと2か月・・。早いですねえ・・・。

 

さて、週が変わったからではありませんが、これまで業務上過失致死傷罪に関する判例を見てきましたが、本日から脅迫罪に関する判例をみていこうと思います。

自由に対する罪といわれているものです。

 

脅迫といっても、単純に言葉だけの問題ではなく、シチュエーション、文脈、人間関係などとか脅迫行為にあたるか否かについては、評価がわかれやすいところであり、判例も様々なものがあります。

 

本日ご紹介する判例は、被告人が、町村合併に関する住民投票について、対立する反対派との抗争が熾烈になり互いに感情悪化し、強烈な言論戦、文章戦が行われていた際、反対派の首脳あてに同じ反対派の首脳名義で、「出火御見舞い申し上げます 火の元に御用心八月一六日」と記載した郵便葉書を郵送したものです。

この「出火御見舞い申し上げます 火の元に御用心八月一六日」という子どばが脅迫行為といえるかが本件で争われました。

この事案は、最高裁までいき、昭和35年3月18日最高裁判所判決は、

 

「所論の実質は単なる法令違反の主張に帰するものであつて適法な上告理由に当らない。なお所論は要するに刑法二二二条の脅迫罪は同条所定の法益に対して害悪を加うべきことを告知することによつて成立し、その害悪は一般に人を畏怖させるに足る程度のものでなければならないところ、本件二枚の葉書の各文面は、これを如何に解釈しても出火見舞にすぎず、一般人が右葉書を受取つても放火される危険があると畏怖の念を生ずることはないであろうから、仮に右葉書が被告人によつて差出されたものであるとしても被告人に脅迫罪の成立はない旨主張するけれども、本件におけるが如く、二つの派の抗争が熾烈になつている時期に、一方の派の中心人物宅に、現実に出火もないのに、『出火御見舞申上げます、火の元に御用心』、『出火御見舞申上げます、火の用心に御注意』という趣旨の文面の葉書が舞込めば、火をつけられるのではないかと畏怖するのが通常であるから、右は一般に人を畏怖させるに足る性質のものであると解して、本件被告人に脅迫罪の成立を認めた原審の判断は相当である。」

 

として、脅迫罪の成立を認めました。

 

先ほど述べたように、その言葉だけとっても脅迫といえなくても、その時の状況を加味し、上記のとおり判断したものといえます。

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