相続法改正~配偶者居住権⑤配偶者の義務~

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弁護士の佐藤です。

 

今週もあっという間の金曜日です。

 

本日は電話会議や打ち合わせなどがちらほらといった感じでございます。

 

で、本日も、相続法改正の中でも、配偶者居住権についてのお話をさせていただこうかと思っておりますが、本日は、配偶者居住権の義務についてのお話です。

 

 

配偶者居住権は、他人の所有建物に住むという意味では、民法上の使用貸借に近い権利といえます。

 

 

そして、他人の所有物であるからこそ、当然、勝手に何でもやっていいわけではありません。

 

 

今回の改正で配偶者に課す義務として、一つ目は、まず、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用および収益をしなければいけないという、善管注意義務を負うこととなりました。

 

 

この点に関しては、上述の使用貸借の借主と同じ注意義務となります。

 

 

次ぎに、配偶者は譲渡禁止義務を負います。配偶者居住権は、配偶者の従前の居住権を保護する趣旨で設立されたこと、配偶者の一身専属的な権利あることからしても、当然の義務といえます。

 

 

さらに、配偶者は、居住建物の所有者の承諾を得なければ、居住建物の改築もしくは増築をし、または第三者に居住建物の使用もしくは収益をさせることができません。これも、配偶者の従前の居住権を保護するという設立の趣旨からすれば、当然といえます。

 

 

そして、上記3点の義務に、配偶者が違反した場合には、居住建物の所有者が相当の期間を定めてその是正の催告をし、その期間内に是正がされないときは、居住建物の所有者は、当該配偶者に対する意思表示によって配偶者居住権を消滅させることができます。

 

 

もっとも、どれくらいの違反行為があった場合に消滅となるのかは、今後の判例の蓄積をまたなければなりませんが、配偶者居住権は、ある意味、賃貸借における賃借人と同様、もしくはそれ以上に住居の確保の必要性が強いことからすれば、消滅のハードルは高くなるのではないでしょうか。

 

 

というわけで、本日は、配偶者居住権の配偶者の義務についてのお話ですが。

 

 

週末は、お花見やお祭りなど、お楽しみが多々あると思いますので、よい週末をお迎え下さい。

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