相続法改正~不相当な対価による有償行為~

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弁護士の佐藤です。

 

 

昨日は、横浜家裁相模原支部での調停期日がありました。

 

無事調停は終了したものの、裁判所によって、運用の仕方が違うのは理解できるのですが、ちょっと配慮が足りないと思われるところがあり、残念な思いをしました・・・。

 

 

 

で、気を取り直して、本日も相続法改正に関するお話をしたいと思うのですが、本日も遺留分に関するお話です。

 

本日は少々マニアックな話になるのですが、遺留分とは、通常、財産を譲渡するなどで、遺留分を侵害されることが多いのですが、不相当な対価による有償行為も遺留分の侵害になりえます。

 

例えば、土地の所有者が、生前、3000万円の土地を、300万円のという10分の1の価格で売り渡していた場合、土地の買主にとっては、差額分である2700万円の贈与を受けたと同様の効果が生じており、その分、相続財産が減少して、遺留分権利者の権利を侵害したことになります(当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってしたことが要件)。

 

 

したがって、遺留分権利者は、その差額分の遺留分減殺請求をすることができるのですが、現行法では、民法1039条に、

 

不相当な対価をもってした有償行為は、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってしたものに限り、これを贈与とみなす。この場合において、遺留分権利者がその減殺を請求するときは、その対価を償還しなければならない。

 

 

とあるように、上記事例では、対価である300万円を償還してから、有償行為の目的物の価額である3000万円について減殺請求することになるのですがこの場合、、遺留分権利者に、本来権利行使できる価額を超えて減殺を認める必要性は乏しく、また、以前お話したとおり、遺留分減殺請求権の行使によって生ずる権利が金銭請求に一本化されたため、目的財産全部に対する減殺を認めつつ対価を償還させることの合理性に欠けることになります。

 

 

そこで、今回の改正によって、対価の償還は不要となり、直接、差額分につき、減殺を請求することができることとなりました。

 

 

まあ、あまり実務ではみない事案といえますが、本日も遺留分に関する改正点のお話でございました。

 

今週もまだまだがんばります~。

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