相続における紛争について2~生前贈与について~

弁護士の佐藤です。本日は前回に続いて、相続に関するお話です。

前回は、相続の対策がない場合の流れについて簡単にご説明しました。

本日は、相続に関する紛争を避ける対策の一つとして、生前贈与について簡単にご説明します。

生前贈与とは、文字通り、生きている間に、相続人となりうる人にあらかじめ財産を贈与しておくということです。この手続きのメリットは、

①会社の経営者であれば、自社株式などの贈与契約を結ぶことで、後継者に株式を集中させることが可能になります。

②先代経営者が生前中に、後継者との間だけで実現が可能、つまり、よく話合いができるということです。次回相続対策として詳しく述べますが、遺言の場合、多くの人は、自分一人でつくってしまうため、一方通行、つまり、場合によっては、相続人がその財産をいらないと思うかもしれない。生前贈与の場合は、たとえば、今後の会社の発展に、経営者とその後継者がよく話合い、その上で、株式や不動産などの財産をどうするかを決めることができるということになります。

③相続時における資産の絶対量を減らすことが出できます。つまり相続税対策です。亡くなるときに相続財産を減らしておくことで、相続税の負担を軽減することができることになります。

もちろん、デメリットもあります。

①遺留分による制約があります。(これは詳しくは、後日述べますが、遺留分というのは、簡単にいえば、相続人の最低限の権利というものです。つまり、例えば、会社経営者の場合、生前贈与をして、経営者の全財産を後継者に生きている間に上げてしまうことは可能です。ですが、本来経営者が亡くなった場合、後継者以外の相続人にも、一定の相続を受ける権利は、全財産をすでに上げてしまったあとにも残されているということです。つまり、経営者が亡くなったあとでも、もらえなかった相続人が、私にもいくらかちょうだいよと、後継者に言うことが可能なのです。それで、どういう場合にできるかというと、生前贈与は相続開始前、つまり、経営者が亡くなった日より1年以内になされたものは無条件に対象になります。また、それ以前に贈与されたものでも贈与する側と受ける側の双方が、遺留分を侵害していることを知りながら贈与がされた場合は対象となります。)

②売買代金や、贈与税などの費用がかかります。相続税対策がメリットの一つにあげましたが、生前贈与の場合は、贈与税がかかります。どのくらいの税金がかかるかはケースバイケースであり、生前贈与をする際には、専門家と相談しながら進めていくべきでしょう。

以上が、相続に関する紛争を避けるための一つの方法です。次回は、もう一つの方法、遺言についてお話します。

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