消費者問題18~製造物責任法に基づく責任の主体について~

024

弁護士の佐藤です。

本日も製造物責任法についてお話します。

本日は、製造物責任法における責任の主体についてです。

製造物責任法における責任の主体は、製造業者に限られるわけではありません。

製造物責任法2条3項は、その主体を、「製造業者等」としており、次のいずれかに該当する者をいうとしています。

  • 当該製造物を業として製造、加工又は輸入した者(以下単に「製造業者」という。)
  • 自ら当該製造物の製造業者として当該製造物にその氏名、商号、商標その他の表示(以下「氏名等の表示」という。)をした者又は当該製造物にその製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者
  • 前号に掲げる者のほか、当該製造物の製造、加工、輸入又は販売に係る形態その他の事情からみて、当該製造物にその実質的な製造業者と認めることができる氏名等の表示をした者

ここで、検討したいのは、②自ら当該製造物の製造業者として当該製造物にその氏名、商号、商標その他の表示をした者又は当該製造物にその製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者とはどういう場合をいうのかという点です。

この点、判例は、被告株式会社Aとの間で、同社が経営するフィットネスサロン「○○店」の会員契約を締結して、同店に設置された赤外線サウナドームを使用し、また、被告株式会社Bからサンテドームを購入したと主張する原告が、サンテドームの使用により原告の両下肢に網状皮斑が生じたのは、①被告B及び被告株式会社Cが製造したサンテドームの設計上及び指示・警告上の欠陥、②Aのサンテドームに係る説明義務及び安全配慮義務違反に起因するとして、被告Bに対しては、製造物責任法三条、不法行為及びサンテドームの売買契約の債務不履行に基づき、被告Cに対しては、製造物責任法三条及び不法行為に基づき、被告Aに対しては、上記会員契約の債務不履行及び不法行為に基づき、損害(治療費、交通費、慰謝料、サンテドームの代金、弁護士費用)の倍賞等の支払を求める事案で、「サンテドームは、被告Cが製造し、被告Bがこれを販売していたこと、サンテドームのコントローラー、ボックス及び本件取扱説明書の表紙には、「〇〇〇」との被告Bの商標がそれぞれ表示されていることがそれぞれ認められる。そして、被告Bは、サンテドームを製造した者ではなく、また、サンテドームのコントローラー、ボックス及び本件取扱説明書の表紙の「〇〇〇」との商標は、商標のみが表示されており、製造業者として明示されているものではないが、電化製品には販売業者ではなく製造業者の商標が記載されることが圧倒的に多いことからすれば、「〇〇〇」との商標は、被告Bがサンテドームの製造業者であると誤認させるような表示(製造物責任法二条三項二号)であると認められる。被告Bは、本件取扱説明書の裏面に、製造元として「株式会社C」、発売元として「株式会社B」との記載があることから、「〇〇〇」との商標は、製造業者と誤認するおそれがない旨主張するが、フィットネスサロン等に設置されたサンテドームを使用する者のように、サンテドームの使用者が常に本件取扱説明書の裏面を見るとは限らないのであるから、被告B主張の事実は、上記認定を左右するものではない。したがって、被告Bは、製造物責任法上の「製造業者等」に当たるというベきである。」旨判示し被告Bが、自ら当該製造物の製造業者として当該製造物にその氏名、商号、商標その他の表示をした者又は当該製造物にその製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者としました。

製造業者の名前よりも販売業者の名前を用いた方が、製品がよく売れる等の理由から、製品の外装などに製造業者ではなく、販売業者の社名や商標を記載することがよくありますが、この場合、名前を記載した販売業者も製造物責任法の責任を負う可能性がありますので、販売業者からみれば注意が必要です。

なお、これまで長々と消費者問題について書いてきましたが、そろそろ消費者問題についてはこの辺にして、また、お役にたてる話がありましたら、随時書いていきたいと思います。

次回からは労働問題について話そうかと思っています。

ページの先頭へ