消費者問題17~製造物の改造について~

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弁護士の佐藤です。

本日も製造物責任についてですが、本日は製造物自体に欠陥はないが、製造物をその後改造した場合、製造物責任は問えるのかという問題について考えたいと思います。

通常、製造物自体に欠陥がないのであれば、製造物を製造した事業者の責任を追及するということは難しいと考えられます。

もっとも、前回お話した製造物の欠陥のうち、指示警告上の欠陥にあたらないかという点では、場合によって、改造を行わないように指示警告する義務が生じる場合も考えられます。

この点に関して、製造物責任に基づく損害賠償請求の事案ではないのですが、製造・販売したガス湯沸器の不完全燃焼を原因とする一酸化炭素中毒による死傷事故について、上記ガス湯沸器に欠陥があったことが上記死傷事故の原因であるなどとして,製造業者らに対し不法行為に基づく損害賠償請求事件で、「ガス湯沸器を製造・販売したことから被告らに直ちに継続的な保守管理義務が発生するかどうかはともかく、少なくとも、本件軽井沢事故が発生する前の時点において、被告らは,被告らが製造・販売した製品について今後も修理業者が本件不正改造を行うことにより一酸化炭素中毒による死亡事故が起こる危険性があることを認識できたのであり、また、被告らはサービスショップに対しても本件不正改造を行わないように指導できる立場にあった一方、他に修理業者に対して適切な注意喚起を行うことができる者はいなかったのであるから、被告らにおいて、修理業務に携わる被告らの従業員やサービスショップその他の修理業者に対し、安全装置の機能を失わせる本件不正改造を行わないように注意を喚起すべき義務を負っていたというべきである。」(平成22年9月9日大阪地裁判決)としました。

因みに、製造物責任法は平成7年7月1日に施行されており、同日以降に製造業者が引き渡した製造物に適用するとされており、上記事案は、製造物が平成7年以前のものであったため、製造物責任法の適用はありません。

しかし、今後同様の事案が生じた場合、製造物責任法の指示警告上の欠陥を考えるにあたっては、上記判例が示した修理業務に携わる被告らの従業員やサービスショップその他の修理業者に対し、安全装置の機能を失わせる本件不正改造を行わないように注意を喚起すべき義務というものが問題になるのだろうと思います。

製造業者については少々厳しい義務を課しているようにも思いますが、上記判例では、義務違反は認めず、修理担当者の不正改造行為について使用者責任、つまり、修理担当者の会社に対して責任を認めました。

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