消費者問題16~医薬品の欠陥について~

001

弁護士の佐藤です。

さて、本日も前回同様、製造物責任法について考えていきたいのですが、今回は、医薬品の欠陥についてお話しようかと思います。

まず、医薬品についても、最初に述べたように、製造又は加工された動産であるため、製造物にあたります。

そして、欠陥については、前回お話したように、①製造上の欠陥、②設計上の欠陥、③指示・警告上の欠陥に類型化されますが、医薬品については、副作用の問題があり少々複雑です。

医薬品が設計どおりに製造されなかったため副作用が生じた場合は端的に欠陥といえますが、医薬品が一定の効能がある反面、一定の副作用もあるのが通常であり、副作用がでたことをもって直ちに欠陥とは判断されません。

この点について、近時の最高裁判例は、「医薬品は,人体にとって本来異物であるという性質上,何らかの有害な副作用が生ずることを避け難い特性があるとされているところであり,副作用の存在をもって直ちに製造物として欠陥があるということはできない。むしろ,その通常想定される使用形態からすれば,引渡し時点で予見し得る副作用について,製造物としての使用のために必要な情報が適切に与えられることにより,通常有すべき安全性が確保される関係にあるのであるから,このような副作用に係る情報が適切に与えられていないことを一つの要素として,当該医薬品に欠陥があると解すべき場合が生ずる。そして,前記事実関係によれば,医療用医薬品については,上記副作用に係る情報は添付文書に適切に記載されているべきものといえるところ,上記添付文書の記載が適切かどうかは,上記副作用の内容ないし程度(その発現頻度を含む。),当該医療用医薬品の効能又は効果から通常想定される処方者ないし使用者の知識及び能力,当該添付文書における副作用に係る記載の形式ないし体裁等の諸般の事情を総合考慮して,上記予見し得る副作用の危険性が上記処方者等に十分明らかにされているといえるか否かという観点から判断すべきものと解するのが相当である。」としています(最高裁平成25年4月12日判決)。

つまり、処方者ないし使用者に対して与えられた情報の適切性に着目しているわけです。

今後は、上記ファクターにより判断がなされることになるのでしょうが、特に新薬においては、処方者、使用者にも厳しい注意が必要といえるのかもしれません。

ページの先頭へ