消費者問題15~製造物責任における欠陥について~

015

弁護士の佐藤です。

前回は、製造物責任法における概要をお話しましたが、今回はもう少し踏み込んだお話をしようと思います。

今回は、製造物責任法における欠陥とはとはということです。

欠陥とは、製造物が通常有すべき安全性を欠くことをいいます。そして、欠陥かどうかを判断するファクターとしては、当該製造物の特性、通常予見される使用形態、製造業者等が当該製造物を引き渡した時期が挙げられます。

そして、欠陥の類型としては、①製造上の欠陥、すなわち、製造物が設計仕様どおりに作られておらず、安全性を欠く場合、②設計上の欠陥、すなわち、製造物の設計段階ですでに十分な安全性に配慮していなかったため、製造物が安全性に欠ける結果になった場合、③指示、警告上の欠陥、すなわち、有用性や効用との関係上、除去不可能な危険性が製造物に存在する場合に、その危険性の現実化及び事故の発生を消費者が防止回避するために必要な情報を製造業者が与えなかった場合があります。

この点判例は、小学校の三年生に在学していた原告が、学校給食用食器として使用されていた強化耐熱ガラス製の食器(商品名コレール)を片付ける際に誤って床に落下させたところ、その際に飛び散った微細かつ鋭利な破片により右眼に受傷し、さらにそれにより後遺障害も生じているとして、本件食器ないしコレールには欠陥、すなわち製造物として通常有すべき安全性を欠く旨主張して、コレールを加工・販売している事業者に対し、製造物責任法三条等に基づき、損害賠償請求した事案で、上記コレールに設計上通常有すべき安全性に欠けていたとは認められないとしながらも、表示において通常有すべき安全性の有無については、「コレールが割れた場合の危険性を考慮すれば、コレールが必ずしも通常の陶磁器等に比べて安全性が高いものとはいえない。そうすると、消費者としては、コレールの購入や使用を検討するに当たり、その割れにくさと割れたときの危険性をいう、いわば表裏をなす性質の両面を十分認識して初めて、割れにくさを重視して購入・使用するか、あるいは、割れた場合の危険性を重視して購入・使用をしないという選択を的確になしうるといえるし、また、割れにくさを重視して購入・使用した消費者に対しても、一旦割れた場合の危険性について注意喚起し、その危険性を認識した上でその使用方法につき、十分な警告をする必要があるといえる。」とし、事業者に対しては、「商品カタログや取扱説明書等において、コレールが陶磁器等よりも『丈夫で割れにくい』といった点を特長として、強調して記載するのであれば、併せて、それと表裏一体をなす、割れた場合の具体的態様や危険性の大きさをも記載するなどして、消費者に対し、商品購入の是非についての的確な選択をなしたり、また、コレールの破損による危険を防止するために必要な情報を積極的に提供すべきである。確かに、商品カタログは、商品を宣伝し、消費者に購入させることを目的として作成されるものであるが、消費者は商品の製造・販売業者による情報提供がなければ、製品の特性に関して十分な情報を知り得ないのが通常であることに鑑みれば、商品の製造業者等としては、当該製品の短所、危険性についての情報を提供すべき責任を免れるものではないし、まして、取扱説明書においては、短所や危険性について注意喚起が要求されるというべきである。」などとして、製造物製造法の欠陥にあたると認定しました(奈良地裁平成15年10月8日判決)。

つまり、先ほど述べた③にあたるというわけです。

欠陥か否かというところでは、やはり、製造業者の予見可能性、消費者の予見可能性などを総合的に考慮しなければならず、③の指示、警告上の欠陥が否かの判断が一番難しいといえるのではないでしょうか。

ページの先頭へ