消費者問題14~製造物責任法について~

017

弁護士の佐藤です。

本日は、製造物責任法(PL法)について、簡単にご説明したいと思います。

製品の欠陥によって生命、身体又は財産に損害を被ったことを証明した場合に、被害者は製造会社などに対して損害賠償を求めることができる法律です。具体的には,製造業者等が、自ら製造、加工、輸入又は一定の表示をし、引き渡した製造物の欠陥により他人の生命、身体又は財産を侵害したときは、過失の有無にかかわらず、これによって生じた損害を賠償する責任があることを定めています。また製造業者等の免責事由や期間の制限についても定めています。

この製造物責任法が制定された理由は、例えば、購入した家電などの欠陥があったため発火したり爆発したりして、購入者が怪我を負ったという場合、本来契約関係でいうと、当事者は、購入者と販売業者ということになるため、販売業者には民法570条の規定する売主瑕疵担保責任に基づき一定の範囲で責任が認められることになります。しかし、法律的な責任の範囲はせいぜいテレビの代金程度にとどまり、代金を返してもらっても人命や健康に関する救済にはなりません。

仮に、販売業者に過失があれば契約責任を追求して広い範囲の損害を賠償してもらえることになりますが、小売店は、自分で設計したり製造したりしているわけではないので、欠陥についての過失責任が認められるケースは稀といえます。

他方、欠陥品を製造した製造業者に責任を負わせようとしても、製造業者と購入者は直接の契約関係は存在しないので、従来は民法709条以下に定められた不法行為責任により責任を追及するほかありません。この場合、訴えた購入者が過失を立証しなければならないので、責任追及は、かなり困難といえます。

そこで、消費者保護の観点から、このような困難さを避けるために製造業者に無過失責任を負わせたのが、製造物責任法の趣旨ということになります。

では、どのような製品が対象となるかですが、製造物責任法では、製造物を「製造又は加工された動産」と定義しています。一般的には、大量生産・大量消費される工業製品を中心とした、人為的な操作や処理がなされ、引き渡された動産を対象とします。したがって、不動産,未加工農林畜水産物,電気,ソフトウェアといったものは該当しないことになります。

そして、製造物責任法による損害賠償の請求権が認められるのは、製造物の欠陥によって、人の生命、身体に被害をもたらした場合や、欠陥のある製造物以外の財産に損害が発生したときです。したがって、財産的損害にとどまる場合には、製造物責任法による損害賠償請求をすることはできません。もっとも、債務不履行や不法行為に基づく損害賠償請求はできます。

さらに、製造物責任法に基づいて損害賠償を受けるためには、購入者が、①製造物に欠陥が存在していたこと、②損害が発生したこと、③損害が製造物の欠陥により生じたことの3つの事実を立証しなければなりません。

そこで、次回以降は、各事例をもとに、もう少し詳しくお話していこうと思います。

ページの先頭へ