民法8~民法113条(無権代理)~

018

弁護士の佐藤です。

しっかし、雨がよくふりますね・・。

今日は午後、下田の裁判所で仕事があるため、移動が憂鬱です・・・。

さて、本日も前回同様、代理行為に関するお話ですが、今回は無権代理についてお話します。

民法113条は、

  1. 代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
  2. 追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。

と規定されています。

これは、無権代理、つまり、代理権をもたない者が法律行為を行ったとしても、本人にとって有利な場合もあるので、本人に追認の途を残した規定です。

ここで、追認とは、効力のない行為を有効にする、相手方のある単独行為をいいます。

この規定で問題となったのは、相続によって、無権代理人と本人の地位が同一になった場合、無権代理人の行為はどうなるかという問題です。

具体的には、父親が所有する土地を、息子が父親の同意を得ないで勝手に第三者に賃貸してしまった後、父親が亡くなり、息子が相続をして、土地を所有するに至ったと言うような場合です。

この点、この相続が単独相続、つまり相続人が息子一人だった場合、判例は、相続によって当然に有効な行為になるとしています(最高裁昭和40年6月18日判決参照)。

では、これが、単独相続ではなく、共同相続、つまり、子供が何人かいて、複数人が相続人であった場合はどうでしょうか。

この点、判例は、本人の追認権は共同相続人全員に不可分的に帰属するので、共同相続人全員が共同して追認しない限り、無権代理行為は無権代理人の相続分についても当然に有効になるものではないとしています(最高裁平成5年1月21日判決参照)。なお、本人が生前追認を拒絶していた場合には、無権代理の効力は本人に及ばないことが確定しているため、仮にその後相続したとしても、代理行為は無効のままです(最高裁平成10年7月17日判決参照)。

また、逆に、無権代理人を本人が相続した場合は、本人と無権代理人の資格が当然に融合するわけではなく、両者は併存するが、本人がもともと有していた追認拒絶権の行使を認めることは何ら信義則に反しないから、無権代理行為は相続により当然に有効となるものではないとされています(最高裁昭和37年4月20日判決参照)。

ページの先頭へ