民法7~民法110条(表見代理)~

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弁護士の佐藤です。

今日も肌寒く、雨で嫌ですね。最近本当にはっきりしない天気が続きます。

本日も代理行為についてのお話です。

本日は民法110条に規定されている表見代理というものです。

民法110条は

前条本文の規定は、代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについて準用する。

と規定されており、

前条の民法109条は

第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。

と規定されています。

民法110条は、代理人が与えられた権限の範囲を逸脱して代理行為を行った場合、現実になされた取引の範囲まで代理権ありと信じた相手方を保護するため、有権代理と同様の効果を認め、取引の安全、ひいては代理制度に対する社会的信頼を維持しようとした規定です。

こことで、民法110条の規定されてある「正当な理由」とは、相手方の善意無過失であることです。因みに、民法では、善意ということばがよくでてきますが、善意とは、文字通り善の心という意味ではまったくなく、事情をしらなかったということを善意、事情をしっていたことを悪意と言います。

そして、この「正当な理由」ですが、代理人の権限を推定させるような事実、例えば、委任状をもっているとか、実印、印鑑証明書等をもっているなどの場合には、正当な理由にあたりやすいと考えられます。

しかし、例え実印を保持していたとしても、実印等の入手が容易な妻や子供、や、金融機関が保証人の代理人との間で代理人自身の債務につき保証契約を締結するような場合には、たとえ代理人が実印等を使用したとしても、正当な理由は否定されたやすくなります(最高裁昭和45年12月15日判決参照)。

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