民法52~民法420条(損害賠償額の予定)~

003

弁護士の佐藤です。

 

風邪です。

 

まあ、いいです。

 

本日も前回同様、債務不履行に基づく損害賠償に関するお話ですが、本日は、損害賠償額の予定という規定についてです。

 

民法420条は、

 

  1. 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。
  2. 賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。
  3. 違約金は、賠償額の予定と推定する。

と規定しています。

 

通常、債務不履行に基づく損害賠償請求は、損害の発生及びその額を証明しなければいけませんが、このような証明の煩雑さを避け、紛争を予防するのを目的として、損害賠償額の予定が認められているのです。

 

この趣旨から、債権者は、債務不履行の事実さえ証明すれば、損害の発生及びその額の証明をしなくても予定賠償額を請求でき、また、債務者は帰責事由の不存在をもってしても対抗できないとされています。

 

次に、当事者は、実損害額を立証して予定額の増減を主張することはできず、裁判所も予定額を増減することはできません。ただし、債権者側に過失がある場合には、裁判所はこれを斟酌し、予定賠償額を減額することはできます(最高裁平成6年4月21日判決参照)。また、金銭消費貸借であれば利息制限法の制限を受け、公序良俗に反すれば、全部または一部は無効になります。

 

さらに、予定賠償額の請求は履行の請求、解除と両立しますが、本来の給付の請求や解除による損害賠償の請求との関係は、予定額などを考慮して次の3種に分類されます。

 

一つは、履行遅滞に対する賠償額を定めたにすぎないもの、二つめは、本来の給付に代わる賠償額を定めたもの、予定額の支払によって契約関係を清算しようとするものです。

 

なお、違約金の約定は、通常、この損害賠償額の予定と推定されます。

 

ページの先頭へ