民法50~民法418条(過失相殺)~

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弁護士の佐藤です。

 

早いもので、9月です。猛暑はもう終わったのでしょうか。

 

とはいえ、肌寒く、日が落ちるのも早くなる感じがあまり好きではありません・・。

 

食欲ですかね、元気になるのは。

 

さて、本日も、法律のお話は民法についてですが、本日は、過失相殺がテーマです。

 

契約の当事者間の一方に債務不履行があったとしても、他方にも過失があり損害を招いた場合にまで、債務者に損害の全額を負わせることは信義公平の理念からして許されるものではありません。

 

そこで、民法418条は過失相殺の規定をもうけています。

 

民法418条は、

 

債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。

 

と規定しています。

 

まず、債務の不履行に関して債権者に過失があったときとは、債務不履行となったことには過失はないが、その後の損害の発生または拡大に債権者の過失が加わった場合にも適用されます。

 

例えば、不動産売買で、売主が賃借人を立ち退かせて引き渡すべきなのに、これを怠ったため、買主が立退料を払って出て行ってもらったが、その額が過大であれば、買主にも過失があることになります。

 

次に過失があったときとは、債権関係を支配する信義則に違反すると認められる過失のあることを言います。

 

過失相殺の効果としては、過失相殺によって賠償額を軽減するだけでなく、場合によっては、賠償責任すらも否定することもできます。

 

債権者に故意過失が認められる以上は、常に斟酌しなければ行けません。

 

なお、上記2点につき、不法行為による過失相殺においては、賠償責任を否定することはできず、斟酌も任意的な点で異なります。

 

なお、似たような規定として損益相殺という概念もあります。

 

損益相殺は、明文上の規定はありませんが、公平の見地から損害賠償債務の発生原因が生じたことにより、債権者が損害を受けたと同時に利益を受けた場合、その利益分を損害額から控除すべきという話です(最高裁平成5年3月24日判決参照)。

 

因みに、生命保険や損害保険金などは控除の対象にはなりませんので、ご注意を。

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