民法49~民法416条(損害賠償の範囲)~

006

弁護士の佐藤です。

 

だいぶ法律のお話から遠ざかっておりました。

 

前回は、債務不履行に基づく損害賠償請求(415条)についてお話しましたが、本日は、損害賠償の範囲についてです。

 

条文は、民法416条です。

 

民法416条は、

 

  1. 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
  2. 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。

 

と規定されております。

 

これは、債務不履行に基づく損害賠償の範囲を定めたもので、1項は、相当因果関係の原則を表明し、2項は、その基礎とすべき特別事情の範囲を示したものです。

まず、通常生ずべき損害とは、当該債務不履行によって現実に生じた損害のうち、当該場合に特有な損害を除き、一般に生ずるであろう、と類型的に認められる損害をいいます。

 

相当因果関係による責任の限定は、当事者間の公平を図ろうとする損害賠償制度の趣旨に適するとされ、不法行為による損害賠償にも本条が類推適用されます(最高裁昭和48年6月7日判決)。

 

次に、特別事情の予見可能性の有無は、債務不履行時を基準じ判断し、「当事者」とは、債務者のみをさし、債務者が予見可能であったということは債権者が立証しなければいけません。

 

最後に、損害賠償額の算定基準時ですが、履行不能による填補賠償は原則として、履行不能時の価格ですが、履行不能後価格が高騰を続けている場合は、価格上昇による損害の拡大は特別損害として予見可能性があれば、現在価格とすることができます(最高裁昭和37年11月16日判決参照)。

 

価格が一旦上昇した後に下落した場合には、その中間での最高価格とするためには、買主がその価格で処分しえたなどの価格上昇による利益取得の確実性が要件となります(上記最高裁判例参照)。

 

ページの先頭へ