民法46~民法415条(債務不履行に基づく損害賠償請求)③~

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弁護士の佐藤です。

 

さて、本日も民法415条、債務不履行に基づく損害賠償請求についてです。

 

本日は、まず、契約に付随する義務についてお話します。

 

契約に付随する義務で一番問題となるのが、安全配慮義務です。安全配慮義務とは、ある法律関係に基づいて特別な社会的接触の関係に入った当事者間において、当該法律関係の付随義務として当事者の一方または双方が相手方に対して信義則上負う義務をいいます(最高裁昭和50年2月25日判決参照)。債務不履行責任と構成することで、不法行為より時効が長く、過失の立証責任が債務者にある点で被害者に有利です。

 

これは労働事件で多く使用する根拠となります。

 

続いて、付随義務としては、契約締結上の過失というものです。契約成立前の段階においても、信義則上の付随義務違反に基づく契約責任を肯定する法理が、契約締結上の過失とよばれるものです。

 

まず、この点、契約締結に至るが、契約は無効に終わった場合、売買契約において、契約成立以前に目的物が消滅した場合、契約は原始的に不能な給付を内容としており、無効となりますが、過失によって無効な契約を締結した売主は、善意無過失の買主に対し、一種の債務不履行責任を負うという理論です。

 

次に、契約締結に至るが、契約交渉過程の言動により、相手方に不利な契約を有効に締結させた場合、締結に際して当事者間で情報や専門的知識の格差がある契約については、一方当事者が重要な情報を告知せずに相手方に不利な契約を締結させた場合には、契約締結前の告知義務違反を理由に債務不履行に基づく損害賠償が請求できるとするものです。

 

さらに、契約締結に至らなかったが、契約準備段階に過失があった場合、契約を締結するかのような態度をとりながら、結局契約締結を拒絶した者に信義則上の注意義務違反を理由として損害賠償義務を認めた判例があります(最高裁昭和59年9月18日参照)。

 

最後に、効果ですが、信義則上の付随義務違反を理由として損害賠償請求をできますが、その範囲は争いがあるところで、通説は、信頼利益に限るとしています。信頼利益については、また後日お話します。

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