民法42~民法412条(履行期と債務者の履行遅滞)~

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弁護士の佐藤です。 

さて、本日は、債務の履行期と履行遅滞になる時期に関するお話です。民法では、412条に規定されています。

 

民法412条は、

  1. 債務の履行について確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来した時から遅滞の責任を負う。
  2. 債務の履行について不確定期限があるときは、債務者は、その期限の到来したことを知った時から遅滞の責任を負う。
  3. 債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者は、履行の請求を受けた時から遅滞の責任を負う。

と規定されています。債務の履行期を種類に応じて履行遅滞の生ずる時期について規定したものです。

履行遅滞の責任が生ずるには、履行期を徒過したこと、の要件のほかに、履行が可能なこと、債務者の責に帰すべき事由に基づくこと、履行しないこと違法なことの要件を満たす必要があります。

まず、履行期と徒過したことですが、履行期の種類によって様々な要件を必要とします。

最初に、確定期限のある債務ですが、原則として期限の徒過によって当然に遅滞になります。当然といえば当然です。ただし、取立債務など、履行について債権者が協力をなすべき債務は、その確定期限に債権者が協力をしなければ、遅滞とはなりません。まあ、これも当然ですか。

次に、不確定期限ある債務ですが、到来することは確実であるが、いつ到来する時期が不確定である債務をいいます。この場合は、期限が到来し、かつ債務者がこれを知った時から遅滞を生ずることになります。なお、期限の到来した後に債権者が催告をしたときは、債務者は期限の到来の事実を知らなくても、催告の時から遅滞を生ずるとされています。

さらに、期限の定めのない債務については、原則として債権者はいつでも請求することができ、催告のあったときから遅滞を生ずることになりますが、例外として、消費貸借による債務について履行期の定めがないときは相当期間を定めて催告すべきであり(民法591条)、その期間が経過した時から遅滞を生ずることになります。また、法律の規定によって生ずる債務は、原則として期限の定めのない債務として成立し、債権者はいつでも履行の請求ができ、遅滞を生ずるためには、債権者の催告を要しますが、不法行為による損害賠償債務は、成立と同時に当然遅滞になるとされています。

先ほどあげた要件として、債務者の責に帰すべき事由に基づくことが必要と話ましたが、債務者の責に帰すべき事由とは、故意過失または信義則上これと同視すべき事由をいい、履行補助者の故意過失も含まれます。

なお、履行遅滞が債務者の責に帰すべからざる事由によることについては、債務者が立証責任を負います。

最後に、履行しないことが違法であることですが、債務者に留置権、同時履行の抗弁権など履行の遅滞を正当化する事由があれば、遅滞の責任は生じません。

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