民法41~民法406条(選択債権)~

027

弁護士の佐藤です。

 

さて、本日は選択債権というものに関するお話です。

 

選択債権については、民法406条に規定があります。

 

民法406条は、

債権の目的が数個の給付の中から選択によって定まるときは、その選択権は、債務者に属する。

と規定されています。

 

選択債権とは、数個の給付のうちから選択によって定まる1個の給付を目的とする債権を言います。以前お話した、種類債権、特に、限定種類債権と類似する規定ですが、選択債権は、数個の給付がそれぞれの個性に着目し、個別的に予定されている点で種類債権と頃なります。例えば、200坪の土地のうち、表通りに面し飲食業を営むに便宜な土地50坪を賃貸する契約で、賃貸人が賃借部分を特定して引き渡す債務を選択債権といいます。

 

民法406条は、選択債権においては、選択をしてはじめて債権の実行や強制履行が可能となります。そのために、選択権者とその選択の方法について詳細な規定が設けられています。本条は、選択権が原則として債務者に属することを定めた規定です。

 

選択債権は、当時者の法律行為または法律の規定により生じます。法律の規定によって生ずる例としては、無権代理人の責任(民法117条1項参照)、占有者の費用償還請求権(民法196条2項参照)、留置権者の費用償還請求権(民法299条2項参照)、賃借人の費用償還請求権(民法608条2項)などがあります。

 

選択権は原則として債務者に帰属しますが、本条は推定規定にすぎないので、特約で債権者や第三者に帰属させることもできます。

 

選択債権と任意債権は異なります。任意債権においては、本来の給付が一応予定されていますが、当時者が他の給付に代える権利(代用権)をもっています。例えば、家屋の給付が本来予定されているのに、それに代えて、時価相当額の金銭の支払をなしうる場合です

ページの先頭へ