民法38~民法401条(種類債権の特定)~

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弁護士の佐藤です。

 

毎日、毎日、雨で嫌になりますね・・・。

 

さて、前回から債権についての話になりましたが、今回は、種類債権の特定という条文についてのお話です。

 

種類債権とは、一定の種類に属するの一定量の引渡しを目的とする債権をいいます。例えば、売主が、買主に馬1頭を売る(農耕用の馬で、○○種の馬であればどれでもよい)との売買契約を締結した場合、買主は売主に対し馬1頭の引渡しを求める債権を有しますが、この債権は、種類債権(一定の種類に属する物の一定量の引渡しを目的とする債権)です。

 

ここで民法401条は、

  1. 債権の目的物を種類のみで指定した場合において、法律行為の性質又は当事者の意思によってその品質を定めることができないときは、債務者は、中等の品質を有する物を給付しなければならない。
  2. 前項の場合において、債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し、又は債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したときは、以後その物を債権の目的物とする。

と規定されています。

1項は、種類債権につき、給付すべき品質の程度を規定し、2項は、種類債権が原則として履行不能にならないことに対する債務者の重い責任を軽減するために、種類債権の特定時をさだめました。

種類は、当事者が特別な基準でその範囲を定めてもよいので、種類債権の目的物は代替物であることを要せず、不特定物であればいいです。

種類債権においては、給付すべき品質の程度は、まず、法律行為の性質と当時者の意思によって決せられ、これらによって決しえない場合には、中等の品質を有するものを給付すできことになります。

次に特定の方法ですが、「債務者が物の給付をするのに必要な行為を完了し」との場合ですが、この時期は、この履行の場所に応じて区分されます。

まず、持参債務の場合は、目的物を債権者の住所において提供したときです。

次に、取立債務の場合は、目的物を分離し、引渡しの準備を整えて、これを債権者に通知したときになります。

さらに、送付債務の場合は、送付先が履行地の場合は、持参債務と同じですが、債務者の好意による送付の場合は、発送したときになります。

もう一つの特定の方法としては、「債権者の同意を得てその給付すべき物を指定したとき」ですが、債権者から指定権を与えられ、その行使として特定の分離・指定をする場合とされています。

最後に、特定の効果ですが、まず、債務者は、特定した物についてだけ債務を負います。その物が債務者の無責で滅失すると、履行義務は免れることになります。

次に、特定した物に対し、債務者は善管注意義務を負い(民法400条参照)、この物を給付しなければなりませんが、取引観念上相当であれば、特定後でも変更権をみとめてよいとする古い判例もあります。

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