民法36~民法398条の2(根抵当権)~

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弁護士の佐藤です。

 

さて、本日も抵当権についてですが、本日は、根抵当権に関するお話です。

 

金融機関と取引企業、メーカーと卸商や小売商のように、継続的に取引が行われ、債権債務が増減する当事者間では、それらの不特定多数の債権を一括して担保するために、それに適した担保を設定することが必要です。この必要性に応じて設けられたのが根抵当権です。

 

根抵当権は、一定範囲に属する不特定の債権を極度額の限度で担保する抵当権です。

 

民法はいわゆる包括根抵当を認めず、根抵当によって担保される債権の資格を、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるもの、債務者と一定の種類の取引によって生ずるものなどに限定しました。

 

次に、根抵当権の付従性、随伴性の話ですが、まず、確定前の根抵当権の場合、根抵当権は、その被担保債権が現に発生せずまた発生する蓋然性がなくても成立し、また根抵当権を被担保債権から分離して処分することも完全可能です。さらにある具体的債権がそのまま存続すれば、根抵当権により担保される場合において、当該債権が弁済等により消滅しても根抵当権が消滅することはありません。また、根抵当権により担保される債権が他に譲渡されても、根抵当権はこれに随伴しません。

 

さらに、確定後の根抵当権の場合は、根抵当権が確定すると、根抵当権によって担保される元本債権が流動性を失い特定するため、成立、存続、消滅における付従性、随伴性は普通抵当権の場合と同一になります。

条文は、民法373条になります。

 

なお、民法398条の2は、

  1. 抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
  2. 前項の規定による抵当権(以下「根抵当権」という。)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。
  3. 特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権又は手形上若しくは小切手上の請求権は、前項の規定にかかわらず、根抵当権の担保すべき債権とすることができる。

と規定されています。

 

根抵当権は設定行為で定める一定範囲に属する不特定の債権を極度額として担保するもので、将来発生する一切の債権を担保するものではありません。

 

被担保債権の範囲は、特定の継続的取引契約により生ずる債権、債務者との一定の種類の取引によって生じる債権、特定の原因に基づき債務者との間に継続して生じる債権、手形条または小切手上の債権となります。

 

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