民法34~民法372条(他の担保物権の規定の準用)~

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弁護士の佐藤です。

さて、今回も抵当権についてですが、本日は民法372条についてです。

民法372条は、

第296条、第304条及び第351条の規定は、抵当権について準用する。

と規定されています。

まず、民法296条は不可分性に規定で、抵当権の効力は、被担保債権の全部の弁済が終わるまでは抵当目的物の全部に及びます。

次に、民法304条は物上代位性です。

まず、客体として、売却代金ですが、抵当権は、目的物に対する追及力を有することから、抵当権の代位物に目的不動産の売却代金をあげるのは、実益がありません。

次に、賃料、地代ですが、賃料等の法定果実は、もっぱら物上代位の規定によって抵当権の効力の及ぶことを主張することができます(最高裁平成元年10月27日判決参照)。

さらに、損害賠償請求権、保険金請求権は、抵当不動産の滅失毀損によって所有者が取得する保険金請求権も物上代位の対象となるとされています。

最後に、効果ですが、売却代金について物上代位をした場合、代金額が抵当債務額に満たない場合でも抵当権は消滅します。

賃料について物上代位した場合は、抵当権は消滅しませんが、賃借権設定に対する一次対価の意味をもつ権利金について物上代位をしたときは、抵当権者は賃借権を承認したものとみなされ、抵当権が実行されても、この賃借権は覆滅せず、対抗しうるものとなります。

また、判例としては、抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押をした後は、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の後に賃借人に対して取得した債権を自動債権とする賃料債権との相殺をもって抵当権者に対抗することはできません(最高裁平成13年3月13日)。

 

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