民法23~民法269条(収去権・買取権)~

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弁護士の佐藤です。

さて、本日も地上権についてのお話です。本日は地上権が終了後の手続についてです。

前提として、民法268条は、

  1. 設定行為で地上権の存続期間を定めなかった場合において、別段の慣習がないときは、地上権者は、いつでもその権利を放棄することができる。ただし、地代を支払うべきときは、一年前に予告をし、又は期限の到来していない一年分の地代を支払わなければならない。
  2. 地上権者が前項の規定によりその権利を放棄しないときは、裁判所は、当事者の請求により、二十年以上五十年以下の範囲内において、工作物又は竹木の種類及び状況その他地上権の設定当時の事情を考慮して、その存続期間を定める。

として、地上権の存続期間を定めています。

では、上記地上権の存続期間が終了した場合、土地上の建物等はどうなるのでしょうか。

この点、民法269条は、

  1. 地上権者は、その権利が消滅した時に、土地を原状に復してその工作物及び竹木を収去することができる。ただし、土地の所有者が時価相当額を提供してこれを買い取る旨を通知したときは、地上権者は、正当な理由がなければ、これを拒むことができない。
  2. 前項の規定と異なる慣習があるときは、その慣習に従う。

と規定しています。

これは、地上権者は、権利消滅の時、原状回復義務を負い、かつ、収去が容易であれば土地の附属させた者の所有権を失わないので(民法242条但書参照)、当然の収去権を有することになります。しかし、これを収去することは社会経済上不利益な場合があるため、本条但書は、土地所有者のための買取請求権を認めたのです。

本条は地主にだけ買取権を認めたものですが、借地借家法は、地上権者にも地上建物の買取請求健を認めています。

なお、収去不能もしくは著しく困難な物は収去権も収去義務もありません(民法242条本文参照)。この場合、地上権者は、有益費については償還請求権を有しますが、必要費については、修繕義務を地上権者が負っているので、償還請求することはできないと言われています。

 

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