民法16~相隣関係①~

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弁護士の佐藤です。

さて、これまでは占有に関する規定についてお話してきましたが、本日は相隣関係の規定についてお話します。

相隣関係の規定については、民法209条から238条までの条文に規定があります。これは、相近接する不動産所有相互の利用を調整することを目的とします。類似の規定に地役権というものがありますが、これは当事者の契約によって成立するのに対し、相隣関係の規定は法律上当然に認められるもので、所有権の内容の拡張や制限であります。

学問上、あまり解釈に争いがあるところではないので、条文を紹介して、こんな規定があるんだと思っていただければと思います。ただ、以外と法律相談では、相隣関係の関する相談がたまにあって、条文がどうなっていたかなと六法をよみかえしたりします・・・。

まず、民法209条です。

民法209条は、

  1. 土地の所有者は、境界又はその付近において障壁又は建物を築造し又は修繕するため必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる。ただし、隣人の承諾がなければ、その住家に立ち入ることはできない。
  2. 前項の場合において、隣人が損害を受けたときは、その償金を請求することができる。

と規定されています。つまり、自分の建物を修繕等するのに、隣地を使いたいときは、必要な範囲で使用させるよう当然に請求できるのです。隣地の人が拒んでも、裁判を起こして、承諾にかわる判決を得て立ち入ることができるのです。ただし、家の中の立ち入りは、その家の所有者の同意がないかぎり入ることはゆるされません。

次に、民法210条です。

民法210条は、

  1. 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
  2. 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。

と規定されています。囲繞地通行権というものです。

つまり、袋地、公道に通じていない土地の所有者は、隣地の人が拒んでも、法律上当然に、通行を許すよう請求することができるのです。

もっとも、通行をさせる側の利益も考えなければなりません。

そこで、民法211条では、

  1. 前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。
  2. 前条の規定による通行権を有する者は、必要があるときは、通路を開設することができる。

とし、通行の場所等は、必要かつ損害がもっとも少ないものでなければいけませんし、

民法212条では、

第210条の規定による通行権を有する者は、その通行する他の土地の損害に対して償金を支払わなければならない。ただし、通路の開設のために生じた損害に対するものを除き、一年ごとにその償金を支払うことができる。

として、通行する者は、通行の対価として償金をしはらわなければいけません。

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