民法14~民法193条等(動産即時取得の例外)~

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弁護士の佐藤です。

さて、前回は動産の即時取得に関するお話をしましたが、本日はその例外規定についてお話します。

まず、例外規定の1として、民法193条があります。

民法193条は、

前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から二年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。

と規定されています。前条とは、当然、前回お話した動産の即時取得に関する条文です。

つまり、動産が盗品・遺失物のように権利者の意思によらないで占有を離れた物については、とくに真実の所有者を保護する必要性が高いため、即時取得の例外を設けたのです。

ここで、「盗品」とは窃盗または強盗によって奪われた物をいい、「遺失物」とは、占有者の意思によらないで、その所持を離れた盗品以外の物をいいます。したがって、詐取や横領された物を対象にはなりません。

次に、回復請求権者とは、被害者または遺失主のことをいいます。したがって、所有権者に限らず、賃借物、受寄物が盗まれたり、遺失した場合には、賃借人や受寄者も回復請求ができることになります。

さらに、回復請求の相手方は直接の善意取得者に限らず、その特定承継人も含まれます。

そして、この場合には代価の弁償を要せず、ただ単に回復せよと言えるのです。

ただし、さらにこの例外規定がございます。民法194条です。

民法194条は、

占有者が、盗品又は遺失物を、競売若しくは公の市場において、又はその物と同種の物を販売する商人から、善意で買い受けたときは、被害者又は遺失者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ、その物を回復することができない。

と規定しています。

つまり、盗品や遺失物の場合、基本的には、代価弁償を要しないのですが、善意取得者が盗品、遺失物を商人や競売によって買い受けたときは、その取引を保護する必要が大きくなるので、この場合には、代価を弁償しなければ回復請求をできないものとしました。

ここで、代価を請求しうるのは、買い受けたときに限るため、贈与を受けた場合には本条の適用はありません。

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