民法13~民法192条(動産の即時取得)~

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弁護士の佐藤です。

今週は、ようやく春らしい気候が戻って、気持ちがよいですね。一年の中で、今が一番好きです。

もうすぐゴールデンウィークですが、やらなければ行けないことが山積みです・・・。気持ちよくゴールデンウィークに入るためにも、なんとかがんばらねば・・。

さて、前回までは時効についてお話してきましたが、本日は民法192条の動産の即時取得と呼ばれている規定についてお話します。

他人の物を所得する制度としては、時効のお話で、取得時効というものを説明いたしました。そして、もう一つの制度として、動産に関しては、即時取得というものがあります。

民法192条は、

取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。

と規定されています。

つまり、一定の経過に関係なく、上記要件を満たせば、即、動産を取得できるものとして、動産の占有に公信力を与え、真の権利者らしい外観を信じて取引した者を保護した規定です。

まず、要件としては、動産であることです。登記、登録によって公示された動産(例えば自動車等)については、前述のとおり、占有自体に公信力を与える必要がないため、本条の適用はありません。ただし、未登録の自動車については、本条の適用が認められます。

では、現金はどうでしょうか。現金については、本条の適用がなく、所有と占有とを一致させ、不当利得の問題として処理すべきというのが判例の考え方です。

次に、占有の取得は、売買、贈与、質権設定、代物弁済、譲渡担保などの取引形態によるものですが、任意・強制競売における競落も対象になります(最高裁平成42年5月30日判決参照)。

また、取引行為は、それ自体として有効なものであることを要し、前主との取引行為に存する能力制限、代理権の欠缺、錯誤、詐欺、強迫などの瑕疵までは本条によっても治癒されません。ただし、そのような行為により占有を得た者からさらに取得した転得者には本条の適用があります。

次に、善意・無過失とは、「前主を無権利者でないと誤信し、かつかく信じるにつき過失がないこと」を意味します(最高裁昭和26年11月27日判決参照)。この要件は、占有承継時に存すれば足ります。なお、目的物を所有していない売主との間で売買契約が締結され、代金完済まで所有権留保の特約がなされた場合は、代金完済前に現実の引渡しがなされその引渡時に買主が善意無過失であれば代金完済時に悪意でも即時取得は成立します。

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