民法12~消滅時効の改正~

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弁護士の佐藤です。

さて、本日も時効に関してですが、本日は消滅時効に関するお話です。

以前、このブログでもちょこっとお話しましたが、近々民法が大幅に改正されることになります。そして、民法大改正の一つの目玉がこの消滅時効に関する条文です。

現行の民法の消滅時効は、通常10年、職種別の債権によっては、それよりもさらに短い、短期消滅時効というものが規定されています。

しかし、改正案では、次の様になります。

  1. 債権は、債権者が権利を行使することができることを知った日から5年間行使しないとき、又は、権利を行使することができる時から10年間行使しないときは、時効によって消滅する。
  2. 現行法の職業別の短期消滅時効を定めた規定等は削除する。商事時効を定めた商法522条も削除する。

というものです。

これは、職業別の様々な短期消滅時効の合理性に疑問があることからこういう改正案が生まれました。商法522条も、どの範囲で適用されるか判断が容易でない場合があること、また、原則的な時効期間である10年は長すぎるというものもあります。そこで、債権は「債権者が権利行使できることを知った日」から5年で時効消滅することになりました。なお、債権者が知らなくても権利を行使できるときから10年経過すれば時効で消滅するとなっている点は現行法と同じです。

また、これにともない、協議による時効完成猶予制度というものが新設されます。

協議による時効完成猶予制度とは、

① 当事者間で権利に関する協議を行う旨の書面又は電磁的記録による合意があったときは、次の時点のいずれか早い時まで時効は完成しない。

1,合意があった時から1年経過時

2,合意で協議期間が1年未満と定められていたときは、その期間を経過した時

3,当事者の一方が相手方に協議続行拒絶を書面又は電磁的記録で通知した時から6か月経過した時

② 当事者は上記①、で時効が猶予されている間に改めて上記①、の合意ができる。ただし、その期間は、本来の時効完成時点から合わせて5年を超えることができない。

③ 上記①、の合意は、本来の時効完成時点までに行わなければならない。催告によって時効完成が猶予されている間に行っても時効完成猶予の効力はない。 

これは、当事者の協議で時効完成を阻止する方法がないと時効中断のための訴訟提起に直結しやすいため、その事態を改善するため新設された規定です。

消滅時効については、上記のとおり、大幅に変わるため、再度勉強しなければいけませんが、短期消滅時効が複雑な現行法に比べると、ある意味わかりやすくなったといえるのでしょうね。

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