民法11~民法162条(取得時効)~

004

弁護士の佐藤です。

本日も前回同様に、時効についてですが、今回は取得時効に関するお話です。

取得時効に関しては、民法162条に規定があります。

民法162条は、

  1. 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
  2. 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

と規定されています。

ここで、取得時効の要件は、①自主占有であること、②平穏かつ公然に他人の物を占有することです。

自主占有とは、所有の意思をもって占有することで、所有の意思の有無は占有取得原因事実または占有に関する事情により外形的・客観的に判断されるとされています(最高裁昭和45年6月18日判決参照)。

つまり、自主占有とは所有の意思をいうので、人から借りているものは、いくら長年所持していたとしても、時効により取得することはできません。

次に2項に規定のある「善意」とは、自己の物であると信じることをいい、「無過失」とは、それを信じることについて過失がないことをいいます。もっとも、民法186条は、

186条

  1. 占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。
  2. 前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有は、その間継続したものと推定する。

と規定されているため、「自主占有」「平穏」「公然」「善意」は推定されることになります。つまり、裁判になったときに、時効取得を主張された相手方が、そういった事実がなかったとして立証していかなければなりません。

民法162条に規定されているとおり、時効期間は占有開始時点に善意・無過失であれば10年、そうでなければ20年です。

他人の物を盗んだ場合でも、20年が経過すれば、取得時効を主張できるわけですね。

ページの先頭へ