民法改正~詐害行為取消権~

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弁護士の佐藤です。

 

体調がいまいちながら、今週もなんとか金曜までやってきました。

 

さて、本日も民法改正についてのお話をしたいと思うのですが、前回は、債権者代位という、債務者の責任財産の保全のための制度についてのお話だったところ、本日も、債務者の責任財産の保全のための制度の一つである、詐害行為取消権に関する改正点を簡単にご説明したいと思います。

 

そもそも、詐害行為取消権とは、債務者が、債権者を害することを知ってした行為(詐害行為)について、債権者がその取消などを裁判所に請求できる制度で、例えば、AさんがBさんにお金をかしているにもかかわらず、Bさんは、お金がなく払えない状況で、Bさんは、自分の持っている不動産を、Bさんの妻に無償で譲渡した場合、その譲渡行為を取り消すといった制度です。

 

 

そして、詐害行為取消権の条文は、民法424条にあり、

 

  1. 債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者又は転得者がその行為又は転得の時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。
  2. 前項の規定は、財産権を目的としない法律行為については、適用しない。

 

 

と規定されています。

 

 

しかし、詐害行為取消権は、複雑な利害調整を要するにもかかわらず、民法では、上記のとおり骨格をさだめているだけで、具体的なルールは、判例によって積み上げられてきました。

 

 

そこで、詐害行為取消権のルールの明確化をはかるために、今回の改正で、新たな条文を創設したのです。

 

 

具体的には、債権者は、債務者がした行為の取り消しとともに、逸出財産の返還(返還が困難であるときは、価格の償還)を請求することができる点、詐害行為取消の訴えにおいて、受益者を被告とし、債務者には訴訟告知をすること、詐害行為取消権の要件についても、類似する制度(破産法の否認権など)との整合性をはかりつつ、具体的に明確化する、ということになりました。

 

わたくしも現在、詐害行為取消の裁判をやっておりますが、本当に複雑で難しい事案です。

 

今回の改正で、少しでも、わかりやすく、合理的に明文化されるといいですね。

 

 

というわけで、週末は良い天気になりそうなので、皆様、よい週末を。

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