民法改正~解除の要件②~

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弁護士の佐藤です。

 

今週もいつのまにか水曜になっておりました。

 

月曜は沼津で一日尋問、昨日は支部総会や電話会議などで時間が過ぎていきました。本日も裁判やら打ち合わせ、起案などでバタバタしております。

 

 

で、本日も民法改正についてのお話ですが、本日は前回に続き、解除の要件に関する改正点です。

 

前回触れればよかったのですが、現行法の解除の関する条文では、まず、民法541条が、

 

当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。

 

 

と規定し、次に、民法542条は、

 

契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、当事者の一方が履行をしないでその時期を経過したときは、相手方は、前条の催告をすることなく、直ちにその契約の解除をすることができる。

 

と規定。

 

 

さらに、民法543条は、

 

履行の全部又は一部が不能となったときは、債権者は、契約の解除をすることができる。ただし、その債務の不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

 

 

と規定しています。

 

 

ここで問題となるのが、まず、民法541条で、民法541条の催告解除については、条文上、あらゆる債務不履行について催告解除が認められるように読めます。

 

しかし、付随的な債務不履行、例えば軽微な説明義務違反があったような場合や、売買物件にほとんど目立たない傷があったというような場合にまで解除を認める必要はなく、判例も、付随的な債務の不履行や、不履行の程度が必ずしも重要でない場合について、催告をしても解除を認めないというものがありました。

 

 

そこで、今回の改正によって、まず、この点を明文化し、催告解除の要件として、契約及び取引通念に照らし、不履行が軽微であるときは解除をすることができないことになりました。

 

 

続いて、無催告解除、催告を要しない解除の要件として、上記条文のとおり、民法542条、民法543条に規定がありますが、その他、明文にはないものの、履行を拒絶する意思を明示したときや、契約の目的を達するのに十分な履行が見込めないときにも、無催告解除が可能とされています。

 

 

そこで、今回の改正によって、無催告解除の要件として、履行拒絶の意思の明示、契約をした目的を達するのに足りる履行の見込みがないこと等の事情があれば解除が可能であることを明文化しました。

 

 

今回の改正では、これまでお話してきたように、判例で認めた要件などの明文化が多いですね。

 

 

では、本日もこの辺で。

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