民法改正~約款の定義~

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弁護士の佐藤です。

 

今週もはじまりました。

 

今週も日弁連の会議やら、勉強会やら色々つまっておりますので、時間を有効につかっていきたいと思います。

 

 

で、本日も、民法改正について簡単にお話したいと思うのですが、本日は、「約款」に関するお話です。

 

約款とは、大量の同種取引を迅速かつ効率的に行うために作成された定型的な内容の取引条項をいい、例えば、鉄道やバスなどの運送約款、電気・ガスなどの供給約款などがこれにあたります。

 

 

ところで、現代社会においては、大量の取引を迅速に行うために、この約款を用いることは必要といえますが、他方、この約款、民法には一切規定がありませんでした。

 

したがって、約款の有効無効については、解釈によって対応しなければいかなく、いまだ解釈も確立していないため、法的に不安定との指摘がありました。

 

そこで、まず、今回の改正において、約款に関する規定を新設することになったのです。

 

 

新設にあたって、まず、やるべきことは、対象とする約款の定義付けが必要になります。

 

つまり、約款という用後は、企業の契約実務において広く用いられていますが、その意味についての理解はバラバラで、大量取引が行われるケースにおいて取引の安定などが図る観点から新たなルールを設けるのは、約款によって画一的な取引をすることが事業者側、顧客側双方にとって合理的であると客観的に評価することが出来る場合に限定する必要があるのです。

 

 

そこで、今回の改正で、対象とする約款の定義を、

 

・ある特定の者が不特定多数の者を相手方とする取引で、

 

・内容の全部又は一部が画一的であることが当事者双方によって合理的なものを「定型取引」と定義した上、この定型取引において、

 

・契約の内容とすることを目的として、その特定の者により準備された条項の総体

 

をいい、

 

「定型約款」という名称は、従来の様々あった「約款」概念と切り離して、規律の対象を抽出したことを明らかにするための名称とされました。

 

これによって、鉄道やバスの運送約款、電気ガスの供給約款は、この約款に該当することになる一方、一般的な事業者間取引で用いられる一方当事者の準備した契約書のひな型などは該当しないことになります。

 

 

というわけで、本日は、約款の定義についてお話しました。次回は、約款の対する規制についてお話したいと思います。

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