民法改正~意思能力の明文化~

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弁護士の佐藤です。

 

今週も木曜までやってまいりました。

 

火曜、水曜と、またまた出張で事務所を留守にしておりまして、関係者のみなさまには大変ご迷惑をおかけしました。

 

 

で、本日も民法改正に関するお話を簡単にしたいと思うのですが、本日は、意思能力に関するお話です。

 

 

意思能力とは、行為の欠陥を判断するに足りるだけの精神能力のことをいい、例えば、認知症を患っている方で、行為の結果を判断することができない方は、意思能力を有しないということになり、その結果、意思能力を有しない者がした法律行為は無効とされています。

 

そして、意思能力のない者がした売買契約があった場合、意思無能力者がその契約の無効を主張して、代金の返還等を求めることができることになり、こうして、判断能力が低下した高齢者などが不当に不利益を被ることを防ぐことができます。

 

 

高齢化社会が進展する中で、意思能力制度の重要性というのはますます高くなっているといえるのですが、問題は、判例、学説では、問題なく、意思無能力者がした法律行為は無効とされているのに、民法上の規定がまったくなかったということです。

 

 

そこで、今回の改正により、民法をより国民一般に分かりやすいものとする観点から、意思能力を有しない者がした法律行為は無効とすることを明文化し、さらに、意思能力を有しなかった者が相手方にする原状回復義務の範囲は、「現に利益を受けている限度」にとどまるという解釈も明文化することとなったのです。

 

なお、類似の制度として、成年後見という制度があり、成年被後見人の行為は、成年後見人により取消が可能となり、また、成年後見人には包括的な代理権が付与されるということになるのですが、前提として家庭裁判所での審判を受ける必要があること、法律行為が無効ではなく、取り消しうるという点で、この意思能力の規定とは異なることになります。

 

 

意思能力の有無は、病院での診断書などで立証していることになります。重度の場合は問題ないのかもしれませんが、認知症の程度がそこまで重くない場合、認知症も日によってその程度が異なることがあり、意思能力がなかったかという立証が困難になる場合も考えられます。したがって、成年後見の活用は、やはり、かわらず、重要になっていくといえるでしょう。

 

 

というわけで、本日も民法改正に関するお話でした。

 

 

あと一日、がんばりましょう。

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