民事執行8~建物収去土地明渡しの強制執行等について~

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弁護士の佐藤です。

静岡では、桜も満開になって、3月もあと2日になりました。毎回言っていますが、早いものですね・・。

とはいえ、この時期は、卒業や入学、新入社などを色々経験してきた中で、なんか、気持ちがあらたになるし、気持ちのよい季節です。

さて、本日も民事執行のうち、非金銭執行についてです。今回は、建物収去土地明渡しの強制執行についてです。

どういう場合かというと、土地所有者が当該土地を他人に貸し、その人はその上に建物を建て、地代を払って生活していたが、急に地代を払わなくなったので、土地の賃貸借契約を解除し、建物を収去して、土地を返還してもらうという場合です。

通常の家屋の明け渡しと違い、建物収去土地明け渡しは二つの行為に分けて考えられます。建物収去(取り壊すこと)と土地明け渡し(占有を債権者に移転すること)です。

このとき、債権者が単に「土地を明け渡せ」という債務名義を持っているに過ぎない場合では、建物収去はできません。よって、建物収去土地明け渡しの執行を行うためには、「建物を収去しろ」という債務名義と、「土地を明け渡せ」という債務名義が必要となります。

建物を収去してしまえば、単に土地の占有を明け渡すだけであり、前記の通常の明け渡し執行手続ですみますが、問題となるのが、建物の収去をどうするかということです。

本来であれば、債務者が費用を出して解体業者などに依頼をし、建物を解体し、廃材の処理などをして収去すべきであります。しかし、債務者がこれをしない場合、いつまでも放っておくことは権利の実現がなされないことになります。そこで、このような場合、民事執行法では代替執行という方法により、建物を収去することになります。

代替執行とは、債務者本人が債務の履行を行わない場合に、債務者の費用を持って第三者によって履行させる手続です。すなわち、債務者が建物を収去しないのであれば、債権者は代替執行手続により、自分で解体業者に依頼し、建物の解体を行うことができるのです。

申立を受け、裁判所は債務者を審尋し、裁判所が授権決定をします。授権決定とは、債務者の費用を持って、その作為を債務者以外の者にさせることを授権する決定です。

現実の執行については、裁判所が発令した建物収去命令の中で実行を担当する者が特定されていればその者が、特定されていなければ債権者自身が行い、任意の第三者にさせることができます。

代替執行に関する費用はあくまで債務者が負担するため、あらかじめ債務者に支払わせる必要があります。そこで、債権者が裁判所に対し費用前払の決定を申立て、同決定があれば、これを債務名義として、金銭執行の方法で費用の取り立てを行うことができるのです。

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