民事執行5~債権執行について①~

024

弁護士の佐藤です。

本日は、民事執行のうち、債権執行についてお話します。

私の経験上では、債権執行が民事執行手続の中では多かったような気がしています。

債権執行とは、金銭の回収を目的として、債務者が第三債務者に有している金銭債権を換価して、債務の弁済にあてる手続をいいます。

例えば、AさんがBさんにお金を貸しているが、返さないため、訴訟をおこし勝訴したが、それでもお金を返さない。Bさんは、会社に勤務していて、会社に対しては、給与を請求するという債権を有している。Aさんは、その後、Bさんの給与を差し押さえたという場合、この場合の会社が、第三債務者となります。

なお、申立手続上は、申立債権者が有する債権を請求債権、この満足のために差し押さえる債権を差押債権といいます。

ところで、差押債権については、禁止されているものもあります。

以下の債権については、各支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する額は差押が禁止されています。

①債務者が私人から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係わる債権、②給料、退職金、賞与等給与の性質を有する債権、③退職手当等給与の後払的性質を有する債権です。①、②については、月額44万円以上の支給である場合は、4分の3ではなく、そのうち33万円が差押禁止となり、その額を超える部分について全てを差し押さえことができます。

もっとも、差押禁止債権の範囲には特例があり、給料の差押については、税金等控除後の給料額の4分の3の部分が差押禁止となりますが、扶養義務等に係る債権を請求債権とする差押の場合は、税金等控除後の給料額の2分の1の部分が差押禁止となりました。税金等控除後の給料額の2分の1の額が33万円を超えるときは、税金等控除後の給料額から33万円を控除した額が差し押さえられることになります。つまり、養育費等の場合は、通常よりも多く給料の差し押さえが可能となり、扶養義務の履行を確保する目的があります。

ページの先頭へ