民事執行1~はじめに~

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弁護士の佐藤です。

前回まで刑事事件についてお話してきましたが、本日から、しばらく民事執行をテーマにお話していこうと思います。

今回は、初回ということで、民事執行の目的、概要等についてお話します。

例えば、お金を貸したのに、弁済時期になってもお金を返してくれないという場合は、裁判所に借りた人を被告として貸金返還請求訴訟とういう裁判を起こしたりします。

それで、裁判には勝ったとしても、たちの悪い人は、それでもお金を返さないという場合があります。

そうすると、お金を貸した人は、裁判で勝ったんだから、お金を借りた人の財産、例えば、車とかを勝手に持ってきてしまうということは許されるのでしょうか。

これは当然、認められません。これを自力救済の禁止といいます。仮に車などの財産を勝手に持ってきてしまうと、逆に刑法上窃盗罪などになってしまいます。

しかし、このままでは、裁判までして勝った人も報われません。

そこで、お金を借りた人が裁判で負けたにも関わらず、任意に払わない場合、これを強制するのが民事執行という手続になります。法律では、民事執行法に規定されています。自力救済は許されないが、裁判所がその者に代わり、適切に法にのっとって、履行を強制させることにより、裁判で勝った人の満足を得させることができるのです。

とはいっても、民事執行にも色々な手続があって、簡単な話ではありません。民事執行というと、おおまかに、強制執行と担保権の実行があり、強制執行の中にも、金銭執行と非金銭執行などに別れて、それぞれ、手続が異なります。

なお、強制執行は、判決などを得て、執行を行うことをいい、担保権の実行は、事前に抵当権等の担保権を設定し、これに基づいて執行を行う場合をいいます。

また、金銭執行とは、先ほど述べたように、金銭の回収を目的とするものであるのに対し、非金銭執行とは、金銭の回収以外、例えば、物の引き渡しなどを求めることを言います。

では、次回以降で、もう少し詳しくこの手続についてお話をしていきます。

 

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