最高裁判決

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弁護士の佐藤です。

 

本日もどんよりさえない天気でございます。

 

とはいえ、本日は起案日で、ほぼ外出しないので雨でもかまいません。

 

 

で、先日、弁護士業務にも関係する最高裁判例がでました。この事件には、和歌山で弁護士をやっている友人が代理人をやっていたことと、非弁取締委員会の副委員長をやっているわたくしにも大きくかかわる事件でもあり、少しご紹介させていただきます。

 

まず、どういう事件かというと、司法書士に債務整理を依頼した和歌山県の家族が、「司法書士が業務範囲外の債務整理をおこなったために損害を受けた」と司法書士に損害賠償を求めた裁判で、1審と2審とで判断が分かれていました。

 

さらにどういうことかといいますと、司法改革の一環で2002年に司法書士法が改正され、取り扱う額が140万円以下なら、司法書士も簡易裁判所の民事裁判や債務整理ができるようになりました。ただ、この解釈をめぐって、「貸主の請求額が140万円以下」とする日本弁護士連合会(日弁連)と、業務範囲をより広くとらえた「依頼人の利益額」とする日本司法書士連合会(日司連)との間で対立してきたのです。

 

そして、ついにこの論争に終止符を打ったのが、平成28年6月27日の最高裁判所に判決です。

 

最高裁は、「法は、認定司法書士の業務として,簡易裁判所における民訴法の規定による訴訟手続(以下「簡裁民事訴訟手続」という。)であって,訴訟の目的の価額が裁判所法33条1項1号に定める額を超えないものについて代理すること(法3条1項6号イ)、民事に関する紛争であって簡裁民事訴訟手続の対象となるもののうち、紛争の目的の価額が上記の額を超えないものについて、裁判外の和解について代理すること(同項7号)を規定する。法3条1項6号イが上記のとおり規定するのは、訴訟の目的の価額が上記の額を超えない比較的少額のものについては、当事者において簡裁民事訴訟手続の代理を弁護士に依頼することが困難な場合が少なくないことから,認定司法書士の専門性を活用して手続の適正かつ円滑な実施を図り,紛争の解決に資するためであると解される。そして、一般に,民事に関する紛争においては、訴訟の提起前などに裁判外の和解が行われる場合が少なくないことから、法3条1項7号は,同項6号イの上記趣旨に鑑み、簡裁民事訴訟手続の代理を認定司法書士に認めたことに付随するものとして、裁判外の和解についても認定司法書士が代理することを認めたものといえ、その趣旨からすると、代理することができる民事に関する紛争も、簡裁民事訴訟手続におけるのと同一の範囲内のものと解すべきである。また、複数の債権を対象とする債務整理の場合であっても、通常、債権ごとに争いの内容や解決の方法が異なるし、最終的には個別の債権の給付を求める訴訟手続が想定されるといえることなどに照らせば、裁判外の和解について認定司法書士が代理することができる範囲は、個別の債権ごとの価額を基準として定められるべきものといえる。 」として、従前から日弁連が主張してきた解釈を採用しました。

 

非弁委員会に所属していてよく思いますが、弁護士業務かいなかの線引きはなかなか難しいものがあります。

 

司法書士さんとは業務が重なる部分もあり、関係はデリケートなところもありますが、持ちつ持たれつつの感じもあり、論争でいつまでもぎくしゃくしていたくないのも正直なところです。

 

なので、最高裁がこの論争に終止符をうった意義は非常に大きいと思います。

 

 

というわけで、起案に戻りまーす。

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