最高裁判事人事

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弁護士の佐藤です。

 

なんだかどんよりした天気です。

 

本日は、午前中、破産事件の債権者集会があったのち、日弁連でのテレビ会議、お昼は静岡県弁護士会でお弁当をつつきながら支部総会に参加し、午後はまた日弁連のテレビ会議に参加して、現在に至っております。

 

ところで、森友学園をめぐる一連の事件で、連日報道され、本日も、稲田朋美防衛相が1午後の衆院本会議で、同法人の訴訟への関与を繰り返し否定してきたこれまでの国会答弁の誤りを認め、謝罪しました。

 

土地取得問題とともに、徹底的に調査し、事実を解明してもらいたいものです。

 

で、本日お話したいことは、あまり報道されていないニュースですが、最高裁判事の人事に関する問題です。

 

突然ですが、憲法79条は、最高裁判事について「内閣でこれを任命する。」と規定しており、最高裁判示の人事は、内閣がだれでも任命できる建前にはなっています。

 

もっとも、従前から最高裁判事の人事に関しては、慣例があり、裁判官出身6名、弁護士出身4名、検察官出身2名、行政官出身2名、法学者出身1名という慣例のもと、最高裁判事の退任があった場合、例えば、日本弁護士連合会は、弁護士枠にしたがって、推薦リストをつくり、最高裁判事もそのリストの中から選ばれるということになっておりました。

 

しかし、平成29年1月13日、内閣は、弁護士出身の大橋正春判事の事実上の後任に、同じく弁護士出身の山口厚氏を任命しました。

 

弁護士出身なので問題ないように思われるかもしれませんが、山口氏は日弁連が最高裁を通じて示した推薦リストには入っておらず、さらには、弁護士登録こそしているものの、本籍は、早稲田大学の学者です。

 

なぜこのようなことになったのかというと、最高裁は、政府から、これまで以上に広く人材を集めたいという意向を受け、日弁連提出の推薦名簿以外に、山口氏ら複数名を加え、結果、日弁連提出の推薦名簿以外の山口氏が任命されたということです。

 

過去にも、佐藤栄作氏が首相をしていた時代、佐藤首相の意向により本命を目される候補を選ばなかったということがあったようですが、たかが慣例とはいえ、政治権力による露骨な人事介入に対する防波堤の役割を果たしてきた面があるという指摘があるように、内閣の完全に恣意的人事が横行すれば、三権分立という極めて基本的な制度の根幹を揺るがす事態となってしまいます。

 

慣例というあいまいな言葉があるが故に、大きく報道できない面があるのかもしれませんが、恣意的な人事がなされないよう、今後も最高裁人事には注目をしていかなければならないと改めて感じております。

 

世間の皆様には関心が薄い問題なのかもしれませんが、制度を揺るがす大きな問題を孕んでおりますので、是非、今後は注目してみてください。

 

 

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