支払督促について

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弁護士の佐藤です。

前回までは、不動産に関する問題についていくつかお話してきましたが、今回は、裁判所を通す手続のうち、支払督促について簡単にご説明いたします。

紛争に相手に裁判所を通して何らかの請求をする場合、訴訟や調停以外にも方法があります。

その中で、支払督促とは、裁判所から督促状をだしてもらう制度です。この場合、訴訟と異なり、証拠調べなどなく、支払督促を申し立てた人の言い分だけで一方的に督促状をだしてもらえます。

この支払督促には条件があり、金銭その他の代替物又は有価証券の一定の数量の給付を目的とする場合のみ利用することができます。

前記のとおり、支払督促は、申し立てた人の一方的な言い分だけで督促状をだせるため、受け取った相手方からしたら、当然、事実と異なることが記載されているかもしれません。

したがって、その場合には、受け取った相手方は、督促異議を申し立てることができ、督促異議がでると、通常の裁判に移行し、裁判の中で、主張、反論を繰り返していくことになります。

したがって、この支払督促は、事実関係に争いがない場合、相手方に反論の余地がない場合(例えば、売掛債権の回収)などに利用すべき手続といえるでしょう。

支払督促を申し立て、支払督促正本が債務者(相手方)に送達された後2週間以内に債務者から督促異議の申立てがない場合には、債権者の申立てによって、その支払督促に仮執行宣言を付することになります(民事訴訟法391条1項)。この仮執行宣言付支払督促に対して、送達後2週間以内に債務者から督促異議の申立てがない場合、その仮執行宣言付支払督促は確定判決と同一の効力、つまり、通常の訴訟での判決の確定と同一の効力を有することになり(民事訴訟法396条)、督促手続きは終了します。

これにより、それでも支払ってこない場合には、債務者の財産に強制執行をすることが可能になるのです。

支払督促は、通常の裁判に比べ、費用も安く、異議がでなければ、通常の裁判よりもうんと短くおわらせることができます。

もっとも、先ほど述べたとおり、要件が決まっていることや、支払督促の手続に適しているかどうかの見極めは必要になるので、是非一度弁護士などの専門家のご相談ください。

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