慰謝料~相隣関係⑥~

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弁護士の佐藤です。

 

今週もはじまりました。

 

さて、本日も相隣関係に関する慰謝料のお話をしていきたいと思うのですが、本日は、相隣関係の中でも、相談の多い部類にはいる騒音に関する事案です。

 

 

まず事案ですが、被告らの飼犬が、遅くとも平成三年一月から、連日長時間にわたり吠え続けており、とりわけ、鳴き声は、午前一時ころの深夜、午前五時ころの早朝に響きわたることが多く、これにより、原告が精神的損害を被ったとして、損害賠償請求をしたものです。

 

 

この点に関し、東京地裁平成7年2月1日判決は、まず、

 

 

「被告らの四匹の飼犬は、遅くとも平成三年一月から(被告・・の飼犬については平成四年二月から)本件訴えを提起するに至るまで、連日、一定時間断続的に鳴き続け、その時間が夜間又は朝方にかかることか多かったことか認められ、原告・・やサイデンの対応をことさら過剰なものとみなす事情もうかがえないから、被告らの飼犬の鳴き声こそ、近隣の者にとって受忍限度を超えたものであると認めることかできる。」

 

 

として受忍限度論を展開したのち、

 

 

「住宅地において犬を飼育する以上、その飼主としては、犬の鳴き方が異常なものとなって近隣の者に迷惑を及ぼさないよう常に飼犬愛情を持って接し、規則正しく食事を与え、散歩に連れ出し運動不足にしない、。日常生活におけるしつけをし、場合によっては訓練士をつける等の飼育上の注意義務を負うというべきであるところ、被告らの飼犬が一項で認定したような異常な鳴き方をしている事実からすると、被告らは、右の注意義務を怠ったものといわざるをえない。」

 

とし、

 

「なお、被告らは、本訴が提起された後平成五年八月二五日までにピレニアンマウンテンドック二匹の犬小屋の周囲に防音設備を建築したことを主張し、《証拠略》によれば右の事実は認められるが、被告らが従前被告らの飼犬に対しどのようなしつけを行ったのか、実際に誰がどのようにして犬の面倒をみているのか等を明らかにしない。」

 

 

として、被告らは、犬飼育上の注意義務に違反したものとして、原告らの被った損害を賠償すべきこととなるとしました。

 

 

そして、慰謝料については、

 

 

「原告・・及び原告・・が被告らの飼犬の鳴き声によって精神的苦痛を被ったことが認められるが、その慰謝料額は、本件に現れた全事情、とりわけ、飼犬の鳴いている時間帯及び長さ、被告らが現在は犬小屋に防音設備を施したこと、犬の鳴き声というより近所づきあいのなさという人間対人間の問題が根本にあると考えられること等を考慮すると、各三〇万円とするのが相当である。」

 

 

として、30万円の限度で慰謝料を認めております。

 

 

本件も数字の根拠がでておりませんが、飼い犬に関する騒音の事案は少なくなく、金額としては同程度のものが多いといえます。

 

 

 

というわけで、本日は騒音に関する判例のご紹介でした。

 

 

今週も気合いをいれてがんばります。

 

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