慰謝料~夫婦間の暴力~

001

弁護士の佐藤です。

 

今週もはじまりました。

 

本日は午前中、弁護士会でクレサラ相談、午後は、裁判と破産事件の債権者集会となっております。

 

さて、本日も、慰謝料についてのお話をしたいと思うのですが、本日は、暴力についてです。

 

弁護士のなる前は、夫婦間の暴力など稀なケースだと思っておりましたが、離婚がらみの相談で、原因が暴力(妻の夫に対する暴力を含む)というのが意外と多いといえます。

 

 

本日で紹介する判例は、夫の妻に対する暴力があり、さらに、後遺症まで残った事案について、夫婦間の暴行は、一般の暴行事件の比べ、慰謝料は低額にすべきかどうかが争点となったものですが、大阪高裁平成12年3月8日付判決は、

 

 

「原判決は、本件暴行による損害賠償については、夫婦間の損害賠償であること、交通事故の損害賠償のように保険制度が完備していないことから、交通事故の損害算定に比し低額の損害算定となる旨判示する。しかし、夫婦間における暴行が、その原因において、相手方が暴力行為を挑発したなどの特段の事情がある場合は格別、単に夫婦関係があることのみから損害額を低く算定すべきであるとはいえないし、また、保険制度が完備しているか否かで損害額の算定を変えることは、交通事故の場合、加害者が任意保険に加入しているか否かで損害の算定を変えることと同じで明らかに不合理であるから前記見解は採用できない。」

 

 

として、夫の暴行による損害賠償については交通事故の損害賠償に準じて判断するとして、具体的には、

 

入通院慰謝料として、

 

「前記認定のとおり、控訴人は、・・外科、国立・・病院に合計七五日間入院し、平成七年五月一四日から平成八年八月一四日までの間に実日数合計五五日間通院して症状固定したところ、本件暴行が故意によるものであること及び入通院期間が長期に及び手術を要したこと等から右入通院慰謝料は、一〇〇万円が相当である。」

 

とし、100万円を。

 

次ぎに、後遺障害慰謝料として、

 

「認定のとおり、本件暴行により、控訴人には肩関節及び脊柱に運動障害(本件後遺障害)が残存するところ、右障害の程度、本件暴行が直接のきっかけとなって離婚のやむなきに至ったことについては別途後記のとおり三五〇万円の慰謝料が認められることその他本件に現れた一切の事情を勘案すると、後遺障害慰謝料は、五〇〇万円と認めるのが相当である。」

 

として500万円を認めました。

 

 

一般の事件と比べ低額にする必要性に乏しく、慰謝料については、交通事故の損害賠償を参考にすることは妥当だと思いますが、暴行は故意事件であるため、過失により惹起される交通事故における加害行為による場合よりむしろ多額の慰謝料が認められてもよかったのではないかと思います。

 

 

というわけで、本日も慰謝料についての判例をご紹介しました。

 

 

今週も気合いをいれてがんばります。

ページの先頭へ