慰謝料~名誉毀損③~

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弁護士の佐藤です。

 

どっぷり梅雨ですね・・・。

 

 

さて、本日も慰謝料に関する判例をご紹介していきたいのですが、本日も前回同様、名誉毀損に関する判例です。

 

事案としては、著名なプロ野球選手である原告が、被告が発行した週刊誌の記事によって名誉を毀損されたと主張して、被告に対し、謝罪広告の掲載及び損害賠償の支払を求めたというもので、具体的には、週刊誌に、「やっぱり!“虎の穴”自主トレ〇〇が『金髪ストリップ通い』目撃!」、「スクープ[米・シアトル発]」「とうとうトレーナーもサジを投げた」との見出しの記事が掲載されたというものです。

 

 

この点に関し、東京地裁平成13年3月27日判決は、上記表現につき、被告の不法行為責任を認めた上、その額については、

 

 

「社会、芸能情報を扱う週刊誌の中でも発行部数が多く、大きな社会的影響力を有すると認められる上、本件記事の広告が全国紙に掲載された結果、読者を含む多数の者が、原告が、トレーニング先でストリップバーに通っていたとの印象を受けたことが窺われる。」

 

とし、

 

「また、原告は球界でも屈指の人気選手であるうえ、《証拠略》によれば、本件記事が掲載された当時、折しも、原告は、平成一二年のシーズンでの復活を賭けて、必死でトレーニングをしていると認識されていた時期であったと認められ、以上の諸事情を考慮すると、本件記事部分の掲載により、原告の社会的評価は大幅に低下し、原告の受けた精神的苦痛の程度も大きかったことが認められる。」

 

とした上で、

 

「上記の事情に加え、被告は、本体訴訟係属後にも、本件記事部分の重要部分の内容が正当である旨の追加記事を掲載していること、本件記事部分の内容は、単に原告の競技成績に関する評価ではなく、プロ野球選手としての資質に対する評価を低下させるものであったことなどを考慮すると、本件記事の掲載から約一年二か月を経過した現在においても、原告が失った名誉は未だ回復されたとはいえないというべきである。」

 

として、

 

 

「本件不法行為の態様と、前述の諸事情に照らすと、被告には、不法行為による損害賠償として、原告に対して、原告が被った精神的苦痛に対する慰藉料として一〇〇〇万円を賠償すべき義務があると解するのが相当である。」

 

 

と、1000万円の慰謝料を認めました。名誉毀損事案で1000万円の慰謝料は極めて異例といえます。

 

 

そして、さらに、上記判決は、

 

「被告は、原告の名誉回復のための措置として、別紙一記載のとおりの謝罪広告を別紙二の掲載要領に従い、被告が本件記事を掲載した週刊ポストに掲載することが相当である。」

 

として、謝罪広告についても認めました。

 

 

もっとも、上記判決は控訴され、東京高裁でも判決がでておりますが、その点は、次回にお話したいと思います。

 

 

 

というわけで、本日も気合いを入れてがんばります。

 

 

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