慰謝料~不貞~

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弁護士の佐藤です。

 

 

本日は起案日です。

 

 

さて、本日も前回から始まっている慰謝料について、判例を紹介しながらお話したいと思うのですが、本日は、不貞の慰謝料です。

 

 

不貞の法律相談は非常に多く、離婚の原因も不貞が多いのですが、通常、不貞の慰謝料は100万円から200万円くらいが多いといえます。

 

 

もっとも、神戸地裁平成2年6月19日判決は、婚姻8年、子供4人の夫婦で、協議離婚後、夫が、離婚の原因は妻の浪費により夫が経営する会社を倒産させたとして、慰謝料の債務は存在しないとしておこした債務不存在確認の訴訟に対し、妻が、離婚の原因は夫の不貞にあるとして、反訴した事案で、

 

「あえて・・・の倒産の原因に人的要因を求めるとするならば、それは原告の方にこそ問題があったものというべきである。すなわち、原告は、・・・・が軌道に乗ってからは、多くの時間を遊びに費やし、昭和四七年八月ゴルフを始め、わずか一〇年後の同五七年一〇月にはハンディが四、クラブチャンピオンになるほどにゴルフにうち興じ、またアルコールはだめであったが、三宮のクラブやバーで毎晩のようにホステスに囲まれて過ごし、その支払い代金は年間五〇〇ないし六〇〇万円にも上るほどであった。あまつさえ、原告は、昭和五九年一〇月、相続問題のため祖国の韓国に行った際、・・という女性を知った。そして、・・と急速に親しくなり、同年一一月以降も毎月渡韓して同女に会い、また韓国への直通電話を架設し、同女との国際通話も頻繁に掛けるようになった。しかるに、昭和六〇年一月、原告が東京へ出張すると被告に偽って出かけた際に、東京の取引先から連絡があったため、東京出張が嘘と分かり、また・・からのラブレターが来たりしたため、原告の不貞が被告の知るところとなった。」

 

 

などと認定し、慰謝料として、600万円の支払いを命じました。

 

 

この事案も通常の不貞事案に比べ高額の慰謝料を認めておりますが、前回紹介した裁判同様、夫婦間の公平を重視しているものであり、離婚に至るまでの生活レベルの差から、このような判決になったのではないかと思われます。

 

 

因みに、上記判例は、夫婦ともに韓国籍の方であったため、日本の法律の適用がないのではないかという争点につき、

 

「韓国民法を適用する限り、被告の原告に対する慰謝料請求は理由がないことになるが、前示のとおり、原告と被告は、ともに日本国において生まれ育ち、日本国に永住権を持ち、日本国内に住所を持ち 原告と被告との結婚生活もすべて日本国内で行なわれてきたことを考えると、本件離婚に伴う財産上の給付を一切認めないということは、我が国における公の秩序、善良の風俗に反する結果になるものというべきであり、本件については、法例三O条により、夫の本国法である韓国民法の適用を排斥し、日本国民法を適用するのが相当である。」

 

 

という判断を示しております。

 

 

というわけで、本日は不貞の慰謝料についてのお話でした。

 

 

今週もあとちょっと。

 

なんとかのりきりましょう。

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